当期純利益が内部留保となり利益処分される流れ

月初在庫と月末在庫を振替える意味

決済整理仕訳では当月の費用勘定と収益勘定をすべて損益勘定に振替えますが、対象となる費用は2種類あります。

  1. 当月発生して費用化する期間費用
  2. 月初在庫と当月仕入のうち月末残を差し引いた売上原価
    月初在庫をOpening stockという費用勘定に全額振替え、買ったときにも全額仕入という費用勘定に計上し費用過多状態にある状態から、月末在庫に残った分を資産に振替えることで費用から控除した発生費用(売上原価)。
  • B/S上の在庫を差替、仕入の中の月末在庫分を控除
    Dr. Opening stock 800  Cr. Invenotries 800
    Dr. Inventories 1000  Cr. Closing stock 1000

Opening stock勘定とClosing stock勘定と仕入勘定の3つの残高を0にしてP/L上消し去る代わりに、差額を売上原価勘定(売った分の費用)の残高にします。

  • 月初在庫・当月仕入・月末在庫をCOGSに振替
    Dr. COGS 800  Cr. Opening stock 800
    Dr. Closing stock 1000  Cr. COGS 1000
    Dr. COGS 400  Cr. 仕入 400

ここまでで費用勘定を損益勘定に振替える準備ができました。

利益剰余金に振替られた当期純利益は現預金として滞留しているわけではない

月末締処理を行った後のP/L上の損益は、B/S上でも損益勘定(Net Profit)のまま記載され、年度末の利益処理のタイミングで配当に回されたり利益剰余金として内部留保されたりします。

システム会計ではG/L上に記録された仕訳データを集計した数字を、あらかじめて準備したフォーマットにペタペタ貼り付けてP/LとB/Sを作成しますが、簿記的に言えば当月の費用勘定と収益勘定をすべて損益勘定に振替えます。

  • 全費用科目を損益に振替
    Dr. 損益(Net income) 80  Cr. 総費用 80
  • 全収益科目を損益に振替
    Dr. 総収益 100  Cr. 損益(Net income) 100

成長が見込まれる会社は、配当で株主還元せず設備など固定資産を購入する再投資による成長を目指すべく内部留保を厚めに行います。

  • 損益勘定の余剰残(貸方)分を利益剰余金に振替
    Dr. 損益(Net income) 20  Cr. 利益剰余金 20

損益を利益剰余金として繰り越すことで純資産が増加しますが、収益の実体である売掛金はやがて現預金化され、設備投資や借入金の返済等で残高が減少し、これは上記の純資産の動きと無関係に行われます。

  • 設備投資
    Dr. 機械 5  Cr. 現預金 5

数年前、日本のデフレ解消のために「企業の内部留保を解放すべし」という意見に対して「内部留保というものは現預金として会社にあるわけではない」という反論があったのはこれが理由です。

利益処分の方法

純資産は、法定資本金(Legal capital)、資本準備金(Legal capital surplus)、利益剰余金(Retained earning=Earned surplus)という形でB/Sに掲載され、このうち内部留保にあたるのが資本準備金と利益剰余金であり、インドネシアの会社法では債権者保護の観点から資本準備金は法定資本金の20%まで積み上げる義務があります。

利益処分としての株主への配当金は利益剰余金を源泉として、未払配当金という負債に計上します。

  • 利益準備金から配当
    Dr. 利益剰余金 10  未払配当金 10
    Dr. 未払配当金 10  現預金 10

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