生産スケジュールを最適化する設定方法

生産管理システムのMRPでは、製造オーダが品目ごとの主ラインに山積みされ、負荷状況を確認しながら計画を前倒しにして、他ラインに割り当てるかの調整が必要ですが、この作業を最適化作業として自動実行してくれるのが生産スケジューラーです。

但しシステムが自動的に最適化を考えてくれるわけではなく、パラメータを調整してスケジュール結果にある傾向を与える程度に過ぎません。

最適化の指標

スケジューリングロジックのコアとなる機能は、オーダから作業生成と紐付け(オーダ展開)、作業を資源へ割付(オーダ割付/紐付け)、これらは以下の2つのコマンドにて実現されます。

1.オーダ展開

  1. 作業(作業入力指図・作業出力指図)を生成
  2. 自動補充で入力指図の不足分のオーダを生成
  3. オーダ初工程の入力指図と前工程のオーダ最終工程の出力指図を紐付け

2.オーダ割付/紐付け

  1. 仮割付け:マスタ使用指図・ディスパッチングルール
  2. 資源評価:11種類の標準評価式+追加評価式
  3. 実割付け

一般的に最適化は稼働率リードタイムの改善が指標となりますが、そのための調整パラメータとして以下が考えらます。

  1. 資源評価(代替資源の選択)
  2. 割付方向(ボトルネック中心TOC)
  3. 作業分割(待ち時間削減)
  4. 重なり方法(待ち時間削減)
  5. 作業の順番(段取り回数削減・内段取りの外段取化・材料のある作業を優先)

最適化の方針は工場によって異なりますが、上記パラメタの設定を調整することにより、スケジュール作成時の作業の割付き方に傾向を与え、工場ごとに独自の最適化されたスケジュールを作成します。

資源評価で作業の資源への割付方法を調整

オーダ割付/紐付けの中で、資源への仮割付けに基づいて資源評価を行い実割付けを行います。

製造BOMの資源優先度のみを適用

割付資源プロパティで「優先資源」(通常は「評価値最大資源」)を選択することにより、製造BOMの資源優先度が最大の資源にのみ割りつきます。

資源優先度最大の資源が一杯なら代替資源に割り付く

資源評価の重みである「重み-資源優先度」に1を設定することにより、資源優先度が最大の資源に優先的に割り付き、一杯ならはじめて代替資源に割りつきます。

負荷平準化割付け

資源評価の重み「重み-負荷平準化」に1を設定することにより、代替資源にも均等に割り付けられます。

追加評価式で作業の資源への割付方法を調整

資源評価と追加評価式

資源評価には標準で11種類のプロパティがあり、資源ごとに評価方法を変えて作業を割付けることは可能ですが、出力品目ごとに評価方法を替えて作業を資源に割り付けることはできません。

  1. 重み-負荷平準化
  2. 重み-段取り時間最小化
  3. 重み-資源優先度
  4. 重み-待ち時間最小化
  5. 重み-納期遅れ最小化
  6. 重み-製造時間最小化
  7. 重み-同一オーダ優先
  8. 重み-同一品目優先

11種類の資源評価で対応できない条件設定が必要な場合は、追加評価式を用いて標準の資源評価とあわせて使用できますが、追加評価式が呼ばれるときにはまだ作業が割り付いていないので、仮割付けの結果に基づいて追加評価を行なうためには、必ず以下のMEのTentAssignではじまる割付評価式を用いる必要があります。

  1. 評価時-マスタ使用指図(me.TentAssignCurrUseBomInst)
  2. 評価時-対象作業(me.TentAssignCurrOper)
  3. 評価時-右作業(me.TentAssignRightOper)
  4. 評価時-左作業(me.TentAssignLeftOper)
  5. 評価時-対象資源(me.TentAssignCurrRes)

評価時の対象作業が製品51096-BZ010の仕掛品(親品目の中に51096-BZ010を含むプレス品)である場合は、ResourceLoadで計算した負荷率を平準化するように割付け(資源評価の「重み-負荷平準化」と同じ)、それ以外の作業の場合は資源優先度(資源評価の「重み-資源優先度」と同じ)を参照します。

IF(CheckAllContents_Or(ME.評価時-対象作業.主産物品目.’親品目(再帰)’,’==’,’51096-BZ010′),ResourceLoad(ME.評価時-対象資源,PROJECT.割付け開始日時,PROJECT.割付け終了日時), ME.評価時-マスタ使用指図.資源優先度)

■CheckAllContents_Or : プロパティの全てのデータ(単・複)をある条件を基にORチェック
■ResourceLoad : 資源から負荷率を計算

左側の作業の仕様1が同じなら優先してその資源に割付け

左作業と自作業が同じ仕様1なら1で、そうでないなら0になるように資源評価を行い、左側の作業の仕様1が同じであれば優先してその資源に割付けるようにする。

1*IF(GetApplicableSpec(1,ME.評価時-対象作業)==GetApplicableSpec(1,ME.評価時-左作業),1,0)

■GetApplicableSpec : 第一引数が仕様(仕様1)、第二引数が作業を指定すると、その作業の仕様1の値を返す。左作業と自作業の仕様1が一致しなかった場合は「重み-負荷平準化」を考慮するよう1を設定する。

工程間の重なり方

重なり方法や重なりMINは、自工程に対する前工程との重なり具合なので後工程に設定し、作業がロット分割されない場合はESまたはSSEEを設定します。

SSEE (Start-Start End-End)は前工程と後工程の開始と終了を関連付けますが、後工程が早く終わる場合に使用します。

SSEE

EES(End-Each-Start)は、後工程が分割(Each)されているとき、前工程の途中から作業開始します。

EES

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