インドネシアでトヨタAvanzaが売れまくる理由

2016/10/07

トヨタAvanza

ジャカルタでAvanzaが売れる最大の理由は、車体は傷付いても心までは傷つかないからというのは言いすぎかもしれませんが、少なくとも心のトキメキを求めて買う車ではなく、社内が広く3列シートで移動手段として多機能であり、中古価格も落ちにくいという利便性を求める結果であると考えられます。

カキリマ

インドネシアの生活

ネットで何でも情報は収集できる時代ですが、他人からの情報は基本的に点でしかなく、点と点を繋げることは自分の頭の中でしかできません。また新しいアイデアを生み出したり複雑なことを考えるためには、過去の経験に基づく知識が頭に記憶されている必要があります。

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バリ島での愛車トヨタランドクルーザーFJ-40

ジャカルタからバリ島に引っ越してから5年以上スズキの小型車に乗ってきたのは、予算内で買える車の中では嫁さんによるともっともかわいく乗り心地がよいと思われる車だったからですが、実は僕にはどうしても気になる車がありました。それが通称「ハードトップ」トヨタランドクルーザFJ-40でした。

これを超える車には一生乗れないと思う。

バリ島にはこの車がやたらと多く、スズキで走っているときも毎日のように数台とすれ違うわけですが「あの車かっこいいねー」と嫁さんに振っても、ダサい、古い、汚い、乗り心地悪そう・・・・いろんな理由で反論されました。

反論されればされるほど益々その車が気になるわけですが、それでも嫁さんの意向を尊重してあげたいという一心で「ハードトップに買い換えよう」というこの一言を言い出せませんでした、5年間も。

ところがある日嫁さんが突然私に言いました。

  • あとで後悔しないために1度乗ってみたほうがいいよ

この言葉を聞いてからの僕の行動は早かった。

その日のうちに「ハードトップ売ります」広告を探し出し、その日のうちに持ち主(オージー)に電話し、その日のうちに中古車屋でスズキの買取価格を交渉し、その日のうちにオージーと明日会う約束をとりつけました。

やはり買い換えて良かった。僕には経験ありませんが、1週間便秘だった人がようやく出た!というときの気持ちに近いものがあるのではないでしょうか。

非の打ち所のない外観。アクセルを踏んだ時のトルクの振動、信号が青に変わった瞬間の加速力。。。とにかくいい。いいものはいい。

CJリッター5kmしか走らなくても、ウインドウの端から雨漏りがしても、ラジエーターの水が漏れても(これはさすがにマズイので修理済み)ひとたび自分の車をまじまじと眺めてみるとすべてを許せてしまうのです。

とにかく車といえばジープしか頭になく、月刊誌「JIP」も欠かさず購読し、次の車はラングラーかランドローバーかベンツのGシリーズに決まっていました。

当時の僕には残念ながら「地球に優しくない」とか「環境にやさしい車を」とかいう言葉はまったく響きませんでした。いや、環境問題は大切だと思うのでせめてあと3年か5年かよくわかりませんが、僕がジープに飽きてしまうまで少しだけ時間を欲しいという心境でした。

ちなみにジャカルタに2007年に引っ越して早々購入したジープCJがコレ。

走行中、ブレーキが利かなくなるなど非常にデンジャラスな代物掴まされました。

ジャカルタでは車を選ぶ基準が消去法になる

4年弱乗ったトヨタAvanza 1.3 G 2012が、ちょうど5年目に突入し自動車保険の契約更新のタイミングに合わせて、Avanza 1.3 Veloz 2016に替えたわけですが、一般論で言えば、日常生活の中で車の納車の瞬間ほどテンションが上がる瞬間ってそうそうないと思うのですが、なんなんだろう、このトキメキのなさは。

クラッチ修理中のFJ-40

もともとマシンの老朽化と運転する気分のマンネリ化を防ぐべく、車は4年で乗り換えることにしているのですが、今回カラーが黒から白に変わったとはいえ、とりあえずむこう4年間の足を確保したというホッとした気持ちと、大きな出費したなあという疲労感だけが残ります。

ちょうど今、絶賛売り出し中Agya 1000ccのファミリー版であるCalyaとか、一ランク上のSientaも試乗したのですが、両方とも室内広いし、新発売で価格が低めに設定されていることもあってだいぶ心が揺らぎましたが、4年後の中古価格の下落率を想像するとやっぱりAvanzaでいいかな、と思ってしまいます。

価格感としてはCalyaが150juta、Avanzaが200juta、Sientaが250jutaで、トヨタ車には最初からデザインは期待していないとはいえ、Calyaは発売されたばかりからかもしれませんが、どうしてもデザインで引っ掛かる部分がありました。

一番コスパが高いと感じたのは、トヨタ車にしては珍しくデザインがおしゃれで、内装が良くて後部ドアがスライド式のSientaでしたが、僕は後部座席には乗らないのであまり意味がないし・・・。

以前バリ島でオーストラリア人からトヨタのジープを買ったときには、長年欲しかった車が自分のものになった喜びを素直に表現できたのに・・・

本来車を買うときの基準は、一にも二にもデザインだと思っているのですが、ジャカルタの殺人的な交通渋滞に日常さらされていると、思考が実用重視の消去法になってしまうのは、我ながら残念なことだと思います。

新車をTukar tambahで買う

アンバサドールやロキシマスでスマホを買うときに、通常はTukar tambah(今持っているものを売却し差額を現金で足す)で買うと思いますが、トヨタは同じAstra系列の中古車販売会社であるMobil 88と提携しているので、車の売却金額を直接Mobil 88からAstra Internationalの口座に振り込んでもらって、自分は残額を振り込むTukar tambahができるので楽です。

インドネシア人曰く「個人に広告出して売却したほうが高く売れるのにー」と言いますが、どこの誰だか知らん人と待ち合わせて値段交渉してお金がちゃんと振り込まれるまでドキドキして、といった手間とリスクを考えると、中古車会社に売り切りのほうが全然楽です。

新車価格が221jutaですが、インドネシアでは一括支払いの場合は大きなディスカウントがあるのが普通であり、今回は18juta値引きの203jutaが購入価格になります。

  • 価格:Rp.221,100,000
    Discount:Rp.18,000,000
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    購入価格:Rp.203,100,000
  • Booking Fee:Rp.5,000,000
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    Rp.198,100,000
  • Mobil88への売却額:Rp.122,000,000
    ----------------------------------------- -
    残りの現金支払い額:Rp.76,100,000

KITASがあればSTNK(Surat Tanda Nomor Kendaraan)車両証明書の名義は外国人である僕でも可能なようですが、うちはいつも嫁さん名義なのでKTPとKK(Kartu Keluarga)が必要になります。

車体は傷ついても心は傷つかない大衆車

車の購入価格が、前の2012年型の165jutaから今回の2016年型の203jutaに値上がりしたので、本体価格の2.7%である自動車保険の年間費用も1jutaほど値上がりして痛い出費ですが、世界一の渋滞都市といわれるほど車の数が多いジャカルタで、自分で身銭を切ってあらためて感じるのは「みんなよくこんなお金払えるもんだ」ということ。

Garda Oto加入者であればこの年間5.8jutaという金額をみんな払っているわけですが、インドネシア人の給料が上がっているとはいえ、インドネシアはCiciran(分割払い)制度が整っているとはいえ、一体どこからお金が湧いて出てくるのか全く謎です。

Garda Otoの保険は、後ろからオカマほられたときや、居眠り運転で追突したときにお世話になりましたが、今回も車両保険と賠償責任がセットになったComprehensiveコースに加入しました。

ジャカルタの渋滞

インドネシアでの自動車追突事故後に起こったストックホルム症候群

犯人と人質が長時間非日常的体験を共有することで、お互いの境遇に共感し合い、人質が犯人に信頼や愛情を感じるようになる現象はストックホルム症候群と呼ばれています。

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どうせ1ヶ月もすれば、ジャカルタ市内の渋滞の中でサーカスチャーリーみたいなバイク連中にガツガツぶつけられて、車体に傷がつきまくるのは明白なので、車体に傷はついても自分の心はそれほど傷つかないという後ろ向きの理由で今回もAvanzaにしよう、というのはトヨタの車を検討している人なら必ず考えるテンプレ思考じゃないでしょうか。