インボイスとパッキングリストに基づき船会社が貨物の引き受けを証明する船荷証券(B/L)

2015/12/02

コンテナ船

Bill of Landing(船荷証券)は、Invoiceとパッキングリストと原産地証明書COO(Certificate Of Origin)に基づき、インドネシアの船会社が発行する貨物の引き受けを証明するものであり、輸出の場合B/L日付が売上計上日となります。

パッキングリストと納品書とインボイスの関係

日本は2021年から軽減税率導入に伴う税務処理の明確化のために、現状の帳簿方式からインボイス方式に切り替えるようです。

インボイス方式のメリットはインボイスに商品ごとの適用税率や税額の明示が義務化され、事業者が保管するインボイスのコピーが納税対象取引の証拠として明確になるので、税金の徴収漏れが少なくなります。

インドネシア国内取引において納品書(Surat Jalan)はモノの納品書であり、お客が現物との照合のために使用しますが金額は表記されません。

一方でインボイスはカネの請求書であり、本来であれば納品書とセットで出荷時に配達されるべきものですが、インドネシアでは納品が先で請求が後になるケースがほとんどであるため、納品書はコピーを渡し、インボイス発送時には納品書の原本を添付します。

よくありがちな失敗ですが、客先にインボイスを持っていくとき納品書の原本はまだ経理が保管したままでコピーを持参してしまった場合、先方からインボイスの受け取り拒否を食らいます。

また日本から材料を輸入、またはインドネシアから輸出する場合、荷送人(Shipper)が乙仲業者(Forwarder)に委託するコンテナの内容明細としてパッキングリストが必要になり、納品書はインボイスと合わせてFedexとかDHLとかで日本の荷受人(Consignee)に別送され、船荷より先に到着します。

ハンディターミナル

出荷時に現品ラベルの品目ロット情報と照合するためのピッキングリスト

インドネシアの製造業において、出荷時に登録済み出荷指示書一覧の品目ロット明細行を、出荷単位に束ねたものがピッキングリストであり、現品が受注登録時の品目ロットと一致しているかどうかを照合するために使用されるので、出荷指示番号(ヘッダー)と品目ロット番号(明細)で構成され出荷実績が計上されます。

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船荷証券(B/L)とサレンダードB/Lと貨物到着案内書(Arrival Notice)の関係

バリ島で家具の輸出やっていたとき、カーゴ会社が梱包・パッキングリストの作成・船会社への船荷証券(Bill of Landing=B/L)の発行申請代行までAll in Oneでやってくれましたので非常に楽でした。

2005年頃は、日本の主要港向けならK-LINEの20フィートコンテナと代行手続き込み込みで、$1300くらいが最安値だったと思います。

B/Lはインドネシア側で船会社が貨物の引き受けを証明するもので、日本側での受け取りに必須なんですが、バリ島からの家具のシッピングで問題になるのはこのB/Lにまつわる事案です。

カーゴ会社から僕への請求はスタッフィング(コンテナ積み込み)前に決済されるので、カネ貰った後のフォローはおろそかになるのが人間の性。

船会社へのB/L発行フォローが遅れると、お客さんから「日本の船会社からArrival Notice来たのにインドネシア側からB/Lまだ送られてきてませんけど・・・」とこっちにメールが来て冷や汗を書きます。

通常であれば船会社がインドネシア側で発行したB/Lは、カーゴ会社からお客さんに直接発送されるのですが、B/Lの到着前に船が到着してしまうのが普通です。

その結果、船の荷揚港到着後もコンテナの引き取りができず、お客さん側に倉庫保管料の負担をかけてしまったことは1度や2度ではありません。

そういうときはカーゴ会社に対して「船会社がB/L発行したらすぐにサレンダードにして」と頼みます。通常のB/Lの手続きの場合は、

  1. スラバヤの船会社がB/L発行:スタート
  2. スラバヤの船会社からバリ島のカーゴ会社にB/L原本を発送:n+2日
  3. バリ島のカーゴ会社から日本のお客にB/L原本を発送:n+5日

というように5営業日ほどかかりますが、サレンダードにするとインドネシア側でB/Lを船会社に裏書(Balik nama)することで「荷物は間違いなくお客さんのものですよ」と証明されたことになります。

  1. スラバヤの船会社がB/L発行:スタート
  2. サレンダード処理:n日
  3. スラバヤの船会社がFAXでバリ島のカーゴ会社にサレンダードB/Lを送信:n日
  4. バリ島のカーゴ会社から日本のお客にFAXでサレンダードB/Lを送信:n日

貨物の引取りにB/Lの到着が間に合わない場合でも、B/Lの原本なしで発行即日荷物の引き取りが可能になります。

この処理をサレンダードB/L(Surrendered B/L)とかテレックスリリース(Telex Release)とか呼んでいました。