生産計画の負荷計算シュミレーション

生産管理部の仕事

生産計画と負荷計画の関係

日本と同様にインドネシアでも、製造業の生産管理部門(PPIC=Production Planning Inventory Control)では、顧客からの確定受注情報や内示情報を元に、製品在庫や手番を考慮した上で、まずは日割り調整した日次生産計画(MPS=Master Production Schedule)を作成します。

このMPSを部品構成表(BOM=Bill of Material)に従って所要量展開して、リードタイムを考慮して製造オーダーを作成しますが、生産管理システムのMRP(Material Requirement and Planning)を駆使して製造オーダーを作成しているケースは、インドネシアでは非常に少なく、大抵はExcel作業になります。

こうして作成した製造オーダを時系列に並べることで、品目単位の製造予定表(月次生産計画)を作成しますが、ここまでがいわゆる生産計画(Production Planning)と呼ばれるものです。

生産計画を立案し、実際に現場への製造指図を発行するにあたり、ラインへの割付けが必要になりますが、このときのラインにかかる仕事量が負荷(Loading)であり、負荷を消化するために既存資源量で対応できるかどうかを予測し、生産準備の段階で負荷を分散させたり、残業を入れたり、ラインを追加したりするのが負荷(能力)計画(Capacity planning)です。

つまり生産計画と負荷計画は不可分の関係にあり、負荷計画の間違いは生産計画の間違い(納期遅れ)に直結します。

生産管理部門の計画作成業務

生産管理システムのMRPは、負荷計画を考慮しない無限能力バックワードで、ラインごとに製造オーダーを山積みする仮の生産計画であり、製造オーダーを消化するだけの生産資源と稼動時間が存在するかを確認しながら、マニュアルで代替資源や代替日程への平準化割付を行ないます。

MRP割付け
MRPでは工程間作業は垂直に紐付く

一方で能力計画を考慮した有限能力山崩しの生産計画の場合、現状の資源量と稼働時間という制約の中でどれだけあふれるかが確認できます。

あふれた作業を強制割付するか無視するかの違い

強制割付と無視の違い

計画パラメタにアジャストメントコマンドがあれば、あふれ(時間制約違反時や計画範囲を超えた時)の割付き方を制御できます。計画パラメタにアジャストメントコマンドがなければこれらのパラメタは無視されます。

強制割付とは期間内に収まるように無限能力で無理やり割付けることであり、無視とは文字通り何も考えず期間内には有限能力、期間外には無限能力で割付けることです。

バックワード時の割付き方

バックワードで「割付開始日時を越えた時」に何も設定しない場合には強制割付(無限能力)と同じ動きになり、計画基準日右側(計画期間内)に山積みになるのは、過去の計画を立てても意味がないからです。

バックワードで溢れた作業は計画基準日の左側(計画期間外)に山積みさせたい場合は「割付開始日時を超えた時」を「無視」(突き抜けて無限能力割付)に設定します。

フォワード時の割付き方

フォワードで「割付終了日時を越えた時」に、何も設定しない場合には無視(突き抜けて無限能力割付)と同じ動きになり、割付終了日時の右側(計画期間外)に山積みになります。

フォワードで割付終了日時の計画期間内に山積みさせたい場合は「割付終了日時を越えた時」を「強制割付」(無限能力割付)に設定します。

納期遅れしない生産計画の負荷状況を確認

生産計画担当者は、当然ながら納期遅れしないような生産計画を立てようと考えますが、必ずしも設備のキャパが十分だとは限らないので、日々どれくらい負荷がかかるか、どの辺りで負荷オーバーするかを確認し、事前に対策を打つことになります。

フォワードで割付けて時間制約違反が発生(最遅終了日時を越える時または最早開始日時を越える時)する時に限って強制割付(無限能力)にすることで、負荷オーバー(能力ショート)の資源と時期を確認します。

ちなみにバックワード割付けは元々納期を基準に考えているため納期遅れは発生せず負荷オーバーのみが発生します。

LET

最早開始日時や最遅終了日時は時間制約違反の基準であり、フォワードで最遅終了日時を越える(後工程の最早開始日時を超える)とは「前工程が遅すぎて後工程が間に合わない」状態です。

この結果を元に「いつ何パーセント負荷オーバーしているので生産計画を変更、またはオーバータイムを入れる」という判断を下すことになります。

サイクルタイムプランとキャパシティプラン

サイクルタイムプランで行なう山崩しとは、作業の順番をつけて負荷平準化して、時間制約違反を起さない理論上作業可能な計画を立てることであり、作業日程計画というカレンダー(横軸)を重視した方法です。

ところが作業の順番をつけて現場に指示書を出したところで、実際には現場の諸事情によりなかなか順番どおりに作業を行なうことは困難であり、刻々と現場で発生する計画に影響を与えうる要素をシステムに反映させてリスケジュールすることは現実的ではないかもしれません。

だとしたら納期遅れしないという条件の下で、1日のキャパの範囲内に作業ロットを山積みしていき「今日はそれぞれのラインでこれだけの作業ロットを消化してください」という指示書を出すほうが現実的であり、これは資源キャパという縦軸を重視した方法です。

  • 資源テーブルの「割付資源量フラグ」を「製造数量に比例」
  • 製造BOMの製造能力を1日固定に設定(タイムバケット1日)

「1日1ロット:1日のキャパ8,000個, マシン数5台, 資源量40,000個」の場合

  • 品目テーブルの製造ロットサイズMAXを1日のキャパ(数量)に設定(1日1箱)
  • カレンダーテーブルの資源量を製造ロットサイズx資源の数に設定(1日分が資源の数分山積み)

「1時間1ロット:1日のキャパ8,000個, 1ロット1,000個, マシン数1台, 資源量8,000個」の場合

  • 品目テーブルの製造ロットサイズMAXを1時間のキャパ(数量)に設定(1時間1箱)
  • カレンダーテーブルの資源量を製造ロットサイズx資源の数に設定(1時間分が8個山積み)

キャパシティプラン

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