キャッシュフロー計算書と為替差損益

会計システムから見た直接法と間接法の違い

Cash Basis(現金主義)で会計処理を行う会社では、取引の発生時期にかかわらず現金が動いた時点で損益が認識されるためP/Lと収支が一致しますが、一般の会社ではAccrual Basis(発生主義)会計ですので、現金の動きにかかわらず取引が発生した時点で損益が認識されるため、月末の段階でP/Lと収支の状態にズレがあり、別途収支を管理するキャッシュフロー計算書(C/S=Cash Flow Statement)が必要になります。flow

C/Sの中の営業活動によるキャッシュフローの部分が、直接法の場合は取引単位に現預金(Cash/Bank)のプラスとマイナスを集計(これを総額表示と呼ぶ)することで収支と現預金残高を算出する一方で、間接法では営業活動に基づく発生主義ベースでの当期純利益(売上総利益⇒営業利益⇒経常利益⇒当期純利益)から、現預金の支出または収入になっていないズレ部分を調整して、現金主義ベースに修整することで、同じく収支と現預金残高を算出します。

直接法:現預金のプラスとマイナスを取引ごとに集計(総額表示)した営業活動によるキャッシュフロー 間接法:Net ProfitからCash/Bankの真水部分を計算したの営業活動によるキャッシュフロー
(+)A/R決済による収入⇒A/R決済仕訳にC/Fコードを付加
(-)直接材料費支払による支出⇒直接材料費支払仕訳にC/Fコードを付加
(-)製造間接費による支出⇒間接労務費・経費支払仕訳にC/Fコードを付加
(-)販管費による支出⇒販管費支払仕訳にC/Fコードを付加
(+)Net Profit⇒発生主義による当期純利益
(+)減価償却費⇒発生ベースのP/LでマイナスNet Profitしていた分
(-)A/R増加分⇒Cash/Bankとして入金していない分
(+)A/P増加分⇒Cash/Bankとして出金していない分

会計システム上からは、直接法の場合は現預金が動く取引の入力時に、該当するキャッシュフローコードをセットして集計しますが、間接法ではキャッシュフローコードは必要なく、Account balance(科目残高)から生成します。

キャッシュフロー計算書における実現損益と未実現損益

会計システム上からC/Sを生成する場合、直接法であれば会計月ごとにキャッシュフローコード単位に取引を集計し、間接法であればG/L(General Ledger)を会計月ごとに集計し、月初繰越高と月末残高を計算する必要がありますが、どちらの方法でも月末に行った外貨の現預金勘定残高に対する為替評価替分をC/S上で調整しないと、C/Sの残高と実際の現預金残高が一致しません。

為替差損益は大きく分けて以下の2種類があります。

  1. 決済時の為替差損益は実現損益(Forex Gain-Realized)
    ⇒A/RとA/Pに関する差損益はC/Sに計上しない。
  2. 月末の為替評価替えによる為替差損益が未実現損益(Forex Gain-Unrealized)
    ⇒現預金にかかわる差損益はすべてC/Sに計上するが、A/RとA/Pに関する差損益はC/Sに計上しない。

問題は間接法の場合、A/RとA/Pが営業活動に関するものと営業に関係ない投資活動から発生するものが混在している場合、発生主義に基づくP/L上の当期純利益から現預金の動き分を調整した後、C/S上に掲載する為替差損益額の算出が難しくなります。

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