減価償却費はキャッシュフローに影響を及ぼすという意味

キャッシュを増やす方法

企業会計では「利益と減価償却費でキャッシュを作る」と言われますが、この場合の「利益」は商売が現金取引で行われることにより債権債務残高が0という条件付きでの話であり、間接法のキャッシュフロー計算書の中で、未決済の債権残高が営業キャッシュのマイナス、未決済の債務残高が営業キャッシュのプラスとして調整されます。

実際のところキャッシュを増やす方法は以下の3つしかないと思うのです。

  1. 損金を増やし課税所得を減らす(節税)。
  2. 売上からの債権の支払いサイトを短縮し、売上原価からの債務の支払いサイトを遅らせる。
  3. 営業外の収益を増やし、営業外の費用を減らす。

インドネシアの企業間取引では手形取引がないとはいえ、出荷基準でP/L上にて売上(収益)の発生が認識される場合でも、検品後に発行されるインボイス到着日をもって債権が計上されるまでの間は仮債権としてプールされるため、債権として未計上の仮債権も営業キャッシュのマイナスとして調整する必要があります(債務として未計上の仮債務も同様)。

  • 出荷日
    Dr. A/R Accrued 100    Cr. Sales 100
  • インボイス到着日
    Dr. A/R 110       Cr. A/R Accrued 100
                 Cr. VAT Out-payable 10

減価償却による法人所得税の節税

「減価償却で過去の投資資金回収する」とも言われますが、製造原価と販管費に含まれている減価償却費には請求書がないことから、「現金が出て行かない費用」という意味で 「減価償却はキャッシュフローに影響を及ぼしている」のであり、税引前当期利益がマイナスで課税所得がゼロであれば、減価償却費で法人所得税を節税することはできません。

実際のところ固定資産に対して減価償却費を計上することで、直接的にキャッシュが増えるわけでも、直接的に資金回収しているわけでもなく、P/L上から読み取れる当期利益よりも実際のキャッシュは減価償却費分だけ多かった、と知って喜んでいるだけと言えるかもしれません。

  • 1月
    サービス販売でで1,200万円の収益

    • Dr. Cash 1,200    Cr.Sales 1,200

    P/L上1,200万円の利益。
    C/F(営業の部)上1,200万円のプラス。

  • 2月
    1,200万円現金支払いで成形機を購入

    • Dr. machine 1,200    Cr.Cash 1,200

    P/L上0円の利益。
    C/F(投資の部)上1,200万円のマイナス

  • 3月
    減価償却費を10万円計上

    • Dr. Depreciation 10    Cr. Accumulated Depreciation 10

    P/L上10万円の損失。
    C/F(営業の部)上0円。

逆に言うと経費にならない出費が増えても節税にはならないわけで、減価償却のない土地(不動産)への投資は節税にはなりませんが、数年後に値上がりして営業外の売却益としてキャッシュを生む可能性はあります。

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