内示に基づく計画生産とかんばん生産のためのMRP

MRPはもともとMaterial Requirement Planning(資材所要量計画)という所要量展開を意味する言葉だったものが、受注情報を元に所要量展開を行った上で、リードタイムを考慮して購買発注にまで繋げるManufacturing Resource Planning(製造資源計画)という言葉に発展しました。

内示に基づく負荷計算と手番ずらしの関係

MRPMRPの目的は、内作品の製造指図発行(かんばん枚数計算)と購買品の所要量計算と、機械の負荷計算の3つです。

  1. 製造:製造指図発行のための所要量計算(またはかんばん枚数計算)
  2. 購買:材料発注のための所要量計算
  3. 機械:ラインや機械の負荷計算

客先からの内示情報は、日次ベースの数量もあれば週次や月次ベースの数量もあり、これらのメッシュがばらばらの内示情報を日ばらししたものについて、BOMに基づいて所要量展開を行い、品目の1個あたり標準負荷(サイクルタイム)から機械能力に対する負荷を計算します。

MRPの結果は機械の負荷を考慮せず山積みになるため、どうせマニュアル調整が必要になるのであれば、最初から安全リードタイム(手番)も加工リードタイムも考慮せず

内示情報の基準日=加工開始日(加工終了日)

と考え、内示の基準日(納期)に山積みされた所要量展開結果(製品の独立需要と材料の従属需要)を必要に応じてマニュアルで手番ずらしすれば十分であり、その作業を自動化したければシステムにリードタイムを設定するだけの話です。

内示に基づく計画生産とかんばん生産の関係

計画生産では、MRPによって内作品の所要量計算を行い製造指図を発行しますが、自動車部品産業のようなかんばん生産の工場では、製造指図を発行する代りに、月間生産数量を稼働日数で割った日あたり必要量と、材料ロットから計算される1回あたりの加工数から、月間かんばん枚数を計算します。

  1. 計画生産の製造指図
    =かんば生産の材料ロットから計算される1回あたりの加工数
  2. 計画生産の手番ずらし
    =かんばん生産の安全在庫+かんばんリードタイム+加工リードタイム

日次の内示に基づいて所要量展開を行った結果である部品の日別の製造オーダ数を、1ヶ月分集計して稼働日で割った平均値が1日あたり必要量です。

加工ロットを元に計算された1日の加工数に、この日あたり必要量を以下の日数分余裕を持たせたものを、入数で割ったものが1ヶ月間有効なかんばん枚数になります。

  1. 安全在庫:切ってはいけない在庫水準N日分
  2. かんばんリードタイム:出荷でかんばんがはずれて現場に戻るまでの遊休期間
  3. 加工リードタイム:現場横のかんばんが加工点に達するまでの期間+加工ロット分を完了させるべき期間

よって理論上の月間かんばん枚数は

  • 変数
    A = 1回あたりの加工数(別途計算要)
    B=1日あたり必要数
    x = 安全在庫日数
    y = かんばんリードタイム日数
    z = 加工リードタイム日数
    p = 入数
  • 月間かんばん枚数
    Roundup[{A + B x (x + y + z)} / p]

で計算され、物理的には工場内の

  1. 現場や倉庫にある在庫ロットに挿してある分
  2. 出荷エリアで外されて溜まっている分
  3. 現場で加工点に達するまで溜まっている分

の3つの場所にかんばんが存在しています。

製造指図の手番ずらし日数は、かんばん計算の(安全在庫日数+かんばんリードタイム日数+加工リードタイム日数)と同義ですから、まずは加工ロットに基づく1回あたりの加工数量を計算した上で、内示日付に所要量を山積みして月平均値を算出し、安全在庫はそのあとのかんばん枚数計算の中で反映させます。

内示の日ばらしが所要量展開と負荷計算に及ぼす影響

客先から貰った月次の内示データを、日ばらしせずに月末日付を納期としてMRPを実行しても、日ばらしにして実行しても、所要量展開によって算出される所要量合計は同じになります。

負荷計算を月末日付を納期として行う場合、月末日付のライン能力に対する負荷が計算されますが、月単位で見れば月の稼働日合計に対する負荷が確認でき、これは日ばらしして計算される負荷の合計と同じになります。

mrpただし週次の内示に基づいて負荷計算する場合は、月初の週で前月にかぶっている分だけ負荷が過少になり、月末の週では翌月にかぶっている分だけ負荷が余分になりますので、週次の内示に基づいて計算された負荷を単純に合計しても月次の負荷にはなりません。

 

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