インドネシアのオンラインVAT報告システムe-Faktur

既に各所で触れられているとおり、7月からインドネシアの国内取引については基本ルピアベースで行うことが義務付けられ、これまでドル取引が多いということでドルベースで会計処理を行っていた会社は、ドルベースにする意義が小さくなりますので、ルピアベースに変更する方針になると思います。

但し期中で変更すると業務へのインパクトが大きいので、来期からの変更を目指すところが多いかと思います。それでもお客さんや取引先の事情を考慮して、7月からは見積もりやPOは基本ルピアで作成する会社が多いと思います。

ただ会計担当者や税務コンサルにとっては、もう一つ別の課題、7月からのe-Faktur利用義務化というのがありまして、実はこっちのほうがじわじわきます。

昨年2014年7月から45のe-Fakturプロジェクト参加企業がパイロットケースとしてe-Fakturの利用を開始しており、ついに来月2015年7月からジャワ島とバリ島のすべての納税義務のある企業(Pengusaha Kena Pajak=PKP)にe-Fakturの利用が義務付けられ、そして2016年1月からインドネシアすべてのPKPがe-Fakturの利用を開始することになります。

インドネシア国税総局(Direktorat Jenderal Pajak=DJP)が提供するe-Faktur用アプリのe-SPT機能を通してオンラインでDJPのサーバー上にアクセスし、SPT(Surat Pemberitahuan)をアップロードする。

そもそもこのe-Faktur導入の背景としてFaktur pajakの乱用、報告の遅延、架空申請等の問題の改善したいという目的があり、これはDJP側とPKP側の双方に事務効率の軽減が図られことによって実現されます。

具体的にはFaktur pajakはQRコードの電子署名(digital signature)方式になり、権限者の直筆サイン(tanda tangan basah)は必要なくなります。会社の登記上の権限者が遠方に居る場合は、Faktur pajak処理のオペレーションが軽減されます。

またこれまで手間だった税務署からPKPへの通し番号(nomor seri faktur pajak)の付与がシステムで行われ、PPNのINとOUT(Pajak Keluaran – Pajak Masukan)の管理が正確かつ容易になります。

ここまで聞くといいことずくめのようですが、実際のオペレーションの現場では、情報不足と錯綜により不安感が日に日に増しているという状況ではないでしょうか。

まずe-Fakturアプリケーションには、PPNに関係する売り買いのInvoiceに付随するデータが必要ですから、事前にシステム上にマスタをセットし、毎月トランザクションを入力またはインポートする必要があります。

  1. マスタ(顧客・取引先・価格)のインポート
  2. 売り買い取引の入力(インポート)

6月現在、e-Fakturの適用目前を控えた今でさえ、マスタはある程度インポートできることが明確なのですが、取引についてはインポート機能はあるものの、パッケージソフトからの出力フォーマットをe-Fakturに合わせるためのインターフェイスが必要になります。

タイムリーな話題ですから、今後の動きを注視しアップデートしていきます。

About the author: yamazou

インドネシアは世界第4位の人口2億5,000万人を抱え、そのうち若年層が25%を占める潜在的経済成長率が最も高い国の一つであり、なかでもジャカルタ近郊を含む都市圏人口は3,120万人と、東京都市圏に次いで世界第2位の世界屈指のメガシティを形成しています。
ジャカルタの街では高層ビルや地下鉄工事が急ピッチで進み、日々様相を変えつつあり現在進行形でアジアの経済発展を体感できます。