在庫評価基準の変更

インドネシアの日系企業の月末在庫の評価方法は、月末に行う実地棚卸数量に所定の標準単価を掛けて評価額算出するシンプルな方法もあれば、入荷時の品目ロット単位で算出した購入単価(変動費)にPIB(pemberitahuan impor barang)上に記載される関税や通関手数料などの固定費を按分して評価単価を管理する方法もあれば、システム上の理論値に基づく棚卸表(または棚札)と実地棚卸数量の差異を総平均単価で評価して調整する方法などが見られます。

在庫評価基準の変更

在庫評価基準が変われば、同月のB/S上の月末棚卸資産の評価額が変わることになるため、差異金額が製造原価と売上原価に反映されることにより、P/Lの数値も変わってきます。

そのためインドネシアで在庫評価方法を変更するにあたっての会計監査上の条件は、前期のB/SとP/Lを新基準で再評価して再作成すること、前期の期首在庫評価額を取得するために前々期のB/SとP/Lも新基準で再評価して作成すること、つまり過去2年分のB/SとP/Lを新基準で準備する必要があります。

これは機能通貨の変更にあたっての、会計監査上の条件として過去期のB/SとP/Lを新しい機能通貨で再評価して再作成する必要があるのと同じ理由です。

  1. 先入先出法:
    該当月のインボイスを時系列に並べて早いもの順の価格で払出金額を評価。
  2. 移動平均法:
    受け(入荷実績)の都度単価を更新して払出金額を評価。
  3. 総平均法:
    在庫締処理後の翌月初に総平均単価を確定し、払出実績数量に掛けて在庫金額を評価。

在庫評価基準変更に伴う会計仕訳への影響

stock継続記録法で採用されるのは先入先出法か移動平均法であり、払出のタイミングで単価は確定しているので、入荷時に資産として計上した材料を、払出の都度減らして費用化することで、リアルタイムに払出仕訳を生成することができるので、生産管理の受払が会計にリンクするシステムで採用されます。

一方で総平均単価の場合は、単価が確定するのが月末になるので、材料の入荷を資産計上している場合には、月末の原価計算の結果で得られる総平均単価に払出数量を掛けることで、払出金額を確定し費用化する仕訳を生成することもできれば、前月のB/S上の在庫を当月評価額に振替えて月末在庫評価とすることもできます。

  • 総平均単価で払出金額を評価し費用化
    (借)COGM    (貸)R/M
  • 材料勘定の在庫を振替て差額を費用化(実際には仕訳は生成せず差し引きでP/Lを作成)
    (借)Opening stock    (貸)R/M
    (借)R/M    (貸)Closing stock

使った分を減らすか、赤黒で差し替えるかという仕訳の種類が違うだけで、どちらの方法でもB/SとP/Lは同じ結果になります。

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