MRPで内示情報を確定受注情報で置き換えるプロセス

本記事のポイント

MRPの所要として取り込む内示情報と確定受注情報は、客先から最新情報をもらうタイミングで入れ替える必要がありますが、抜け落ちることなく重複することなくうまく入れ替えるには、確定受注は受注NOの有無をキーとして重複しないように新規分のみ追加し、内示は洗替えします。

システムでの生産計画の運用が難しい理由

業務システムの運用で最も難しい分野は生産計画であると言われる理由は、所要を元に所要量展開を行う上で「製造ロットサイズ」と「リードタイムずらし」の影響で、生成された製造オーダがどの所要に紐付いているかが見えにくくなる点がまず第一に挙げられます。

そして第二にMRPの計算元データである所要として内示と確定受注の2種類がある場合、客先から最新データが送られてくるタイミングで、抜け落ちることなく重複することなくうまく置き換えることが難しいという点が挙げられます。

  1. 前回内示としてもらった情報が今回は確定受注に変わっている。
  2. 今回の確定受注に前回の確定受注がダブって含まれている。

というように客先からのオーバーラップした確定受注と内示を、システム上では二重登録にならないよう考慮する必要があります。

asprova上の受注予定テーブルは、確定受注4日分(2行目)と内示6日分(1行目)の合計10日分の最新データをもらう場合、製造指図を3日分(3行目)とすると、月初時点で受注残は4日-3日=1日分となり、これに内示6日分を足した7日分がMRPの対象となります(青枠)。

そして3日後にまた確定受注4日分(5行目)と内示6日分(4行目)の合計10日分の最新データをもらう場合、製造指図3日分(6行目)があるため、受注残は4日-3日=1日分となり、これに内示6日分を足した7日分がMRPの対象となります(緑枠)。

さらに3日後にまた確定受注4日分(8行目)と内示6日分(7行目)の合計10日分の最新データをもらう場合、製造指図3日分(9行目)があるため、受注残は4日-3日=1日分となり、これに内示6日分を足した7日分がMRPの対象となります(赤枠)。

確定受注は追加で内示は洗替が基本

MPS内示を確定で置き換えるための具体的な方法は、新規の確定受注のみを追加して内示は洗替することであり、理屈ではこれにより確定受注の二重登録と内示の二重登録が同時に防止されます。

そして所要から展開された直近の製造オーダを元に製造指図を発行した結果として確定している製造残を、受注残(受注登録済みで在庫のないもの)から差し引くことで、余分な生産を行わないようにする必要があります。

  1. 1回目の最新データ確定受注(1日~4日)と内示(5日~10日)を取り込む。
  2. 確定受注(1日~4日)は受注登録するが製造指図(1日~3日)が既にあるので、受注残(4日)+内示(5日~10日)がMRPの対象となる。
  3. 2回目の最新データ確定受注(4日~7日)と内示(8日~13日)を取り込む。
  4. 確定受注(4日~7日)のうち1回目で受注登録済みの受注NOと重ならない確定受注(5日~7日)を受注登録するが、製造指図(4日~6日)が既にあるので、受注残(7日)+内示(8日~13日)がMRPの対象となる。
  5. 3回目の最新データ確定受注(7日~10日)と内示(11日~16日)を取り込む。
  6. 確定受注(7日~10日)のうち1回目と2回目で受注登録済みの受注NOと重ならない確定受注(8日~10日)を受注登録するが、製造指図(7日~9日)が既にあるので、受注残(10日)+内示(11日~16日)がMRPの対象となる。

MRPの所要の中に確定受注と内示が混在する場合、確定受注は新規のみ追加し内示はすべて洗替えすることで所要のダブりを防ぎます。