インドネシアのIT技術者と付き合うための傾向と対策

インドネシアのシステム会社に入ってくるプログラマーはIT系専門大学卒か一般大学卒に分かれるが、一般論で言うとやはり中国系インドネシア人の方が優秀である。

もちろんプリブミ(いわゆるインドネシア人)プログラマーにも優秀な人はいるだろう。僕の周りの人間がたまたまそうなのかもしれない。

現に超優秀で知識も経験も豊富で問題分析能力も優れている野心家のインドネシア人プログラマーを知っている。ただそんなケースは非常に稀、中国系の場合はほとんどハズレなく、短期間で安心してプロジェクトを任せられるレベルになる。

優秀であるかそうでないかの違い

この違いは一体何だろう?というのをよく考えるのだが、これは優秀とか優秀じゃないとかいう問題ではなく、生き方の違いなのだと最近思うようになってきた。だから一緒に仕事をする上では日本人と生き方の方向性が近いほうがやりやすいということになる。

ただ生き方の違いとは言えども、日系企業で仕事をする以上、日本人の価値観でもって査定を行う。だからまず初任給が違う。学歴、経験年数が同じでも中国系プログラマーのほうが3~5割近く給料が高くなる。そして年数立てば能力に益々差が開き給料も差が開いていく。だから退職する場合も中国系の場合はさらにより品質の高い経験機会と高い給料を得られる仕事が見つかりステップアップしていく。

一方インドネシア人プログラマーの場合も同じようにステップアップを理由に辞める(本人談)ケースもあるだろうが、それ以上に給料の安さに嫌気が差して給料の額だけを進路選択の材料にする傾向が強いので、こいつ次のステップを踏み外しているんじゃなかろうか、と心配するケースがほとんどである。残念ながらこれが少なくとも僕の周りの現実である。

で、インドネシアのIT人材を独断で大別すると以下のようになる。給料の額はあくまでも目安である。当然会社によっても能力によっても給料の額は異なってくる。またジャカルタと地方都市とでも差異が出るものと思われる。近年インドネシアは日本やインドに変わるオフショア開発の拠点として注目されつつあるため、IT人材のコストは上昇していくことは間違いない。

ハードウェア&ネットワーク技術者

いわゆるWindowsの設定やPCのトラブルシューティング等が得意な修理屋さん的な人で、インドネシアのIT労務環境において日本で言うIT土方化する傾向がある人材である。つまり「辞めたければ辞めていいよ、代わりはいくらでもいるから」的な雇用環境から脱出するのは難しい階層の人たちであり、インフレの激しいインドネシアにあっても給料は月3万円前後で、10年前に比べてもあまり上がった感じがしない。

兎に角、専門学校に行くとかDBやバックアップツール、セキュリティツール等の設定、導入ができるようになるとかして付加価値を高め、この階層を脱出しないと一生安くこき使われることになる。この階層に中国系インドネシア人は決して踏み込まない。

インフラ系技術者

VPN設置のために高額なCISCOルータの設定が出来たり、メールサーバーやWebサーバーの管理が出来て、IBMやHPのラックマウント式のサーバーやストレージの構築が出来るインフラ系運用技術者である。このレベルで専門性が高い人は希少価値が高いので重宝されるが、雇用機会もそれほど多くないので希望する職種を見つけるのは苦労するかもしれない。月5万円-7万円くらいの人が多いのではなかろうか。

当然ながら給料の額は雇用環境によって大きくことなる。一般的にインドネシアの会社では安く、外国系企業ではそれより高くなり、一般的に欧米系企業のほうが日系企業より給料が高い。

プログラマー

新卒または経験2年目くらいの若手が経験を積むために入社してくる。月5万円~7万円、中国系なら10万円くらい取る人もいる。経験が浅いので業務フローの知識を学び、次のステップアップに燃える人が多いので一番使いやすい階層かもしれない。

当然だが使用言語によって待遇も異なる。Object-CやJavaプログラマーの待遇はVBやPHPプログラマーに比べて高い。

インプリメンテーター

いわゆるパッケージの導入ができる人である。一般的にパッケージの価格が高ければ高いほど難易度も高いので給料も高くなる。安いパッケージでも月8万円、SAPなど高額パッケージの導入経験者なら月20万~30万円という高額な給料を稼ぐ人たちである。

プログラマー&インプリメンテーター

プログラミング能力も十分で、業務フローの知識があるので、安心してプロジェクトを任せることができる。優秀だが高額なパッケージに比べると比較的安価な開発案件を担当するので、給料もそれほど高くない。月10万円~20万円くらいか。開発能力があるので独立志向が強く、機会があれば成り上がってやろうという野心家が一番多い階層である。

で、どの層のインドネシア人技術者にも共通して言えることは「直接成果物に繋がる仕事」に情熱を注ぐ、逆に言うと「地味な仕事が嫌い」ということ。ドキュメントは嫌いだがコーディングは好き、要件定義は短めで一刻もはやく開発に突入する、という傾向がある、ということです。

この傾向は必ずしも悪いことではなく、とにかくお客に成果物を見せて心理的安心感を持たせるという効果が期待できます。ですからインドネシア人技術者とストレスなく付き合う方法としては、良い面を見て悪い面には極力目をつぶる、に尽きると思います。技術者が5人も居れば長所も短所も薄まってちょうどいいくらいになる、それが組織ってもんだと思いますw。

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