オフショア開発から見た日本とインドネシアの関係

本記事のポイント

オフショア開発は先進国の会社が人件費の安い海外に開発委託することであり、2014年の名目GDPは日本が世界第4位、インドネシアが第16位ですが、2024年にはインドネシアが日本を逆転するとも言われています。

そうなったとき日本企業がインドネシアでオフショア開発するという現状が逆転している可能性は十分ありますが、日本の蓄積された資産や技術力をインドネシアの若年労働人口のレベルアップに繋げるようなビジネスの育成こそが日印の理想的な共存共栄の姿だと思います。

インドネシアでのオフショア開発

オフショアとは「国または本土の沿岸から遠く離れた地域」という意味です。

オフショア開発と言えば同じ漢字文化圏で日本語を話すIT人材が豊富な中国がメインでしょうが、近年では人件費の高騰が激しくコスト削減のメリットが小さくなっているらしいです。

もっともインドネシアも後追いで同じ状況になっている訳ですが、新興国が発展する過程で同じことが起こります。

中国以外に世界のオフショア基地として名高いのはインドであり、インド人は「ゼロを発明した民族」なのでITの素養が高く人材も豊富という話ですが、僕の知人でインドでオフショア経験のある人曰く「仕事がいい加減で結局自分で全部やり直しになり余計疲れる」とのこと。

昔、派遣先の金融システム会社のボスがとんでもなく優秀な技術営業のインド人で、例えて言えば「壊れた洗濯機もバケツとして売り切る」くらいの勢いがある人でした。

民族的な性格からしてインドでインド人を相手に仕事をするのに比べたらインドネシアは天国かもしれません。

インドネシアのジャカルタも近年オフショア開発の拠点として注目されるようになって久しいですが、アンドロイドやiPhoneアプリなどのモバイル系か、WEB開発が中心です。

インドネシアはスマートフォーン王国なので、この分野の技術者の数というのが多いというのは理解できますし、派手好き、かっこいいもの好きのインドネシア人にとってスマホ技術者は憧れの職業だと思います。

一方でクライアントサーバー型の業務系システムのオフショア開発というのはあまり聞かないのは、開発期間中に日本側とのコミュニケーションの絶対数が多いため委託しにくいのではないかと思います。

インドネシアでのオフショア開発の成否は、日本の仕様をインドネシアの開発者に噛み砕いてブレイクダウンできるブリッジSEの存在の有無であり、要件定義に基づく仕様どおりにインドネシア人技術者が開発できるためのコーディネート能力です。

これには日本語堪能で技術の知識のあるインドネシア人がいれば最強だと思いますが、そんな人材めったにいませんし、それだけ優秀な人は独立して自分でビジネスをやっています。

自分でビジネスを起こすほど優秀ではないが、日本語ができるかIT技術があるかどちらかの人材をブリッジSEとして育成し、文字通り日本とインドネシアの架け橋に育てるようなビジネスができれば最高だと思います。

日本とインドネシアが逆転する日

昨今の好景気に伴うインフレにより優秀なインドネシア人技術者の人件費は高騰し、オフショア開発拠点としての魅力が薄れているのが現実ですが、インドネシア国内向けのWEB・モバイル開発需要に対してリソースの質量ともに供給不足であるので、技術移転という意味も込めてインドネシア人IT技術者育成に繋がるビジネスが日印尼双方にWIN-WINであり理想かもしれません。

2014年の名目GDPは日本が世界第4位、インドネシアが第16位ですが、2024年にはこれが逆転するとも言われています。

そうなったとき果たして日本企業がインドネシアでオフショア開発するという現状が逆転している可能性は十分あるでしょう。

オフショア開発の基本は「人件費の安い国で開発コストを下げる」ですから、下手したら今既にジャカルタの技術者の給料が、デフレ下の日本の会社の給料のよりも高額に跳ね上がっているケースもあるくらいですから。

2014年の日本の一人当たりGDPでも、日本はアジアの中でもシンガポール、香港、ブルネイに続く4位であり、これからもジリ貧になっていくと思います。

新聞や雑誌で「日本が危ない」的な危機感をあおる記事を頻繁に目にすると日本の将来に不安を感じることもありますが、GDPというフローの面だけから見て順位を気にする必要は全くないと思います。

むしろ日本の蓄積された資産や技術力をインドネシアの若年労働人口のレベルアップに繋げるようなビジネスの育成こそが日印の理想的な共存共栄の姿だと思います。

まあ、インドネシアが必ずしも「日本こそが最良のパートナー」と思ってくれるかどうかは未知数な訳ですが。