イノベーター理論の視点からインドネシアを考える

本記事のポイント

技術革新(イノベーション)がいかにして大衆に普及していくかを、商品購入の態度から新商品購入の早い順に五つに分類したものがイノベータ理論であり、今のデジタルマーケティングに当てはめると情報発信力の強いいわゆる有名ブロガーさん達がアーリーアダプター層に属し、インフルエンサーとして市場に影響力を持っていると言えると思います。

現在でのデジタルマーケティングでは、最新技術を積極的に取り入れる「新しいもの好き」のイノベーターから、スマホやタブレットなどのデジタルガジェットを積極的に情報収集ツールとして使うアーリーアダプター層までの16%に如何に情報を波及させるかがポイントになります。

16%のアーリーアダプターまでと84%のアーリーマジョリティ以降との間には超えられない大きな溝(Chasm:キャズム)があり、キャズムを超えることがWEBマーケティングの成功であり、そのためにはアーリーアダプターだけではなくアーリーマジョリティに対するマーケティングも必要というのがキャズム理論です。

特にFacebookやTwitterで多くのフォロワーを集めインフルエンサー的役割を果たすアーリーアダプターの拡散力を利用した「キャズム越え」がソーシャルメディアマーケティング戦略上で重要になります。

イノベーター理論とインドネシア大統領選挙

マーケティング理論の分析手法として有名なイノベーター理論ですが、これは50年以上も前の1962年にアメリカで既に体系化されていた理論です。

1962年といえば日本の高度成長期(1955年~1973年)のド真ん中にあたりますが、今のインドネシアがまさにこの時期にあたると思います。

もともとは技術革新(イノベーション)がいかにして大衆に普及していくかを、商品購入の態度から新商品購入の早い順に五つに分類したものなんですが、今のデジタルマーケティングに当てはめると情報発信力の強いいわゆる有名ブロガーさん達がアーリーアダプター層に属し、インフルエンサーとして市場に影響力を持っていると言えると思います。

最新技術を積極的に取り入れる「新しいもの好き」のイノベーターから、スマホやタブレットなどのデジタルガジェットを積極的に情報収集ツールとして使うアーリーアダプター層までの16%に如何に情報を波及させるかがポイントになります。

特にFacebookやTwitterで多くのフォロワーを集めインフルエンサー的役割を果たすアーリーアダプターの拡散力を利用した「キャズム越え」がソーシャルメディアマーケティング戦略上で重要になります。

  1. イノベーター(Innovators:革新者):新しいモノ好きな人 市場全体の2.5%。
  2. アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者):いわゆるインフルエンサー 市場全体の13.5%。
  3. アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者):比較的新しいモノを取り入れるのに興味はあるものの慎重な潜在的購入者で市場全体の34.0%。
  4. レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者):右倣え右の層でいわゆるフォロワーズ。市場全体の34.0%。
  5. ラガード(Laggards:遅滞者):最も保守的な伝統主義者 市場全体の16.0%。

ただネットでいかにバズったとしてもそれがそっくり現実の成果に結びつくかどうかに対しては疑問の残るところです。

先のインドネシア大統領選挙時もネット上では圧倒的にジョコさん支持者が多かったにもかかわらず、実際はジョコウィ氏53.16%、プラボウ氏46.84%という比較的僅差であったことがいい例だと思います。

会社のホームページが検索順位が上位に上がってもオフラインでの知名度はそれほどでもないこと。これらはネットでの情報収集を行わないレイトマジョリティ層とラガード層が現実には理論以上に厚かったということかもしれません。

インドネシアのスマホユーザーと普及率16%の論理

この16%というキャズム手前までの層ですが、WEBマーケティングの対象となるネットユーザー、スマホユーザーに限定すれば、その割合はもっと薄くなると思います。

インドネシアではスマホの用途は圧倒的にソーシャルメディアやLINE, BBM, What’s up等によるコミュニケーションツールとしてであり、積極的な情報収集という利用のされ方はそれほどなされていないように感じます。

インドネシアの場合、これはインドネシア語によるコンテンツ不足が原因であり、ブログによる情報発信やキュレーションメディア等の普及は遅れています。

一方でインドネシアでのFacebookの利用のされ方は日本に比べてオープンであり、「仲間内のコミュニケーション」を越えたパブリックなものであるためソーシャルマーケティングの潜在性は非常に高いと思います。

ジャカルタ日本食レストランとキャズム理論

16%のアーリーアダプターまでと84%のアーリーマジョリティ以降との間には超えられない大きな溝(Chasm:キャズム)があると言われています。キャズムを超えることがWEBマーケティングの成功であり、そのためにはアーリーアダプターだけではなくアーリーマジョリティに対するマーケティングも必要というのがキャズム理論です。

これはジャカルタの日本食レストランを考えると非常に判りやすい。必ずしも美味い店が流行るというわけではなく、日本食に対する理解や日本食レストラン情報に対してはアーリーマジョリティまたはレイトマジョリティにあたるインドネシア人の客層をつかむことがキャズム越えになると思います。

それでは現実のオフラインの世界でキャズムを越えるためにオンラインのWEBマーケティングがどれだけ有効か、という点ですが、ネット上、特にソーシャルメディア上でのバズり具合と現実の評判との乖離はインドネシアのほうが日本より小さいと感じています。

それくらいFacebookの影響力は大きい。これはインドネシアでのソーシャルマーケティングの潜在性が大きいことを示していると言えるかもしれませんが、他方でこれが政治利用された場合の影響力も大きいというリスクがあります。