インドネシアでの会計システム導入のポイント

インドネシアの日系企業で使用されている会計パッケージソフトは低価格帯のローカルベンダー製、中価格帯の外国製(アメリカ・日本・ヨーロッパ)、そしてSAP(ドイツ)など高価格帯のシステムというように大枠で分かれる。

以下に会計システム導入時に話題になりやすいポイントを挙げる。

国際財務報告基準(International Financial Reporting)対応

インドネシアでの会計システム導入時には、まずシステムのIFRSへの対応が必要といわれるようになって久しいが、インドネシアでは比較的早くからIFRS対応を意識することが推奨されており、収益費用認識基準、在庫評価方法、固定資産の減価償却方法など、IFRSへの意識は日本より高いと思う。

そもそもIFRSは投資家や債権者に対して企業価値評価のために必要な情報を提供することを目的としており、そのために固定資産の減損・再評価、売却可能な金融資産などを時価評価して貸借対照表(Balance Sheet)を正確に作成することにより、その企業が投資に見合う利益を生み出せる資産状況にあるかどうかを明確にするものである。

日本本社の連結決算のためにIFRSに基づく財務報告が必要になる一方で、インドネシア側では税務署がこれに対応しているとは限らないので、税務については引き続き独自の基準で報告を作成する必要がある。そうなると会計システムで複数基準元帳機能を実装し、会計仕訳単位で日本本社用とインドネシア決算用とに振替ができることが理想である。

為替レート

インドネシアで会計システムを導入する時に一番に考慮する税制は付加価値税VAT (Value Added Tax) であり、インドネシアではPPN ( Pajak Pertambahan Nilai)という。企業は外貨建て取引に関わる税金の計算は税務署(Kantor Pajak)が毎週公表するTax Rateを使用する必要があるため、会計システムには取引レートとTax rateの2つを持たせる必要があり、システムの為替レートマスタには通貨ごとの取引レートに加えてTax Rateの設定を行い、取引入力の際に該当するレートを参照する仕組みが必要になる。

外貨取引に適用する為替レートについては前日のレートをDailyに適用する場合と、前月末レートで当月適用レートを固定する場合のどちらになると思うが、前者の場合は買掛金(AP)や売掛金(AR)の決済時に為替差損益仕訳を自動生成する仕組みが必要になる。そして月末に次月に繰越す債権債務や現金預金等について月末レートで再評価を行う為替評価替え(Revaluation)をシステム上で行なう。

Faktur Pajak(Tax Invoice)発行機能

インドネシアは帳簿方式ではなくInvoice方式を採用し、Faktur Pajak  (Tax Invoice)に基づいて税額を計算している。納税、還付請求時にInvoiceと必ずセットで発生するFaktur Pajak  が必要だが、そのフォームは非定期で変更されるので変更のたびにシステム上でフォーマット調整が必要になる。Faktur Pajak  に基づいてPPNの支払いまたは還付の額を計算し、売上の際に課したPPN(Output)と購入の際に課されたPPN(Input)とを相殺して、売上PPNの方が多ければ納税、購入PPNの方が多ければ還付請求できる。

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