日系企業の雰囲気に慣れるということ。

世の中にはいろんな仕事がありますが、僕にとってこれは絶対無理ゲー、と思われる仕事で真っ先に思いつくのは高層ビルの窓拭きなんですが、Grand Indonesiaに併設するMenara BCAの地上50階をゴンドラに乗って上下するお兄さんにとっては、携帯カメラを向けても微笑み返すくらい余裕のよっちゃんいか(死語)です。

左下にシャングリラホテルが小さく見えることからも、ここがどんだけ高いか想像つくというもんですが、うちの嫁さんは僕が

仕事疲れたー

と弱音を吐くたびに

高層ビルで窓拭きする仕事に比べたらどうってことないでしょ

と冷たく突き放します。確かにそうだ。

ジャカルタのシステム会社でインドネシア人の部下を複数人管理しながら仕事をしていますが、出会いあれば別れがあるように、何かのタイミングで彼ら彼女らは辞めていき、辞めた後に何をするかといえば、客先のIT担当として働く者、ジャカルタの同じ業界のライバル会社で働く者、独立して商売をはじめる者、でも失敗してまた同じ業界に出戻るもの、などのパターンがあります。

ちょうど今日、同じ業界のライバル会社で働くかつての部下がBBM(Blackberry Messenger)送ってきまして、かつてこっちで一緒に働いていた同僚とこんどはそっちのライバル会社で一緒に働くようになったとのこと。

こういう話を聞くとジャカルタのIT業界も狭いもんだと感じますが、一度日系企業で働いた人は、よほど日本人に対して嫌な思い出でもない限り、次の転職先も「雰囲気に慣れている」日系企業になる傾向が強いので、新しい職場で再会、というのはよくある話です。

実際、客先の担当インドネシア人が突然辞めたと思いきや、別の客先で同じようにシステム導入の担当として付き合うことになったりするのはよくあることで、この場合前のプロジェクトが上手くいっていればプラスに働きますが、上手くシステムがまわっていなかったりすると、後のプロジェクトにまで尾を引きます。

で、「日系企業の雰囲気に慣れる」というのはどういうことかと言うと、

  1. 日本人独特のインドネシア語のクセ
    nya(ニャー)とかkah(カー)とかを語尾に付けて角が立たないように伝えようとするインドネシア語の意図を噛み砕いて理解できる。
  2. 日本人が作る相手との距離感
    オフィスのスタッフにも運転手にもオフィスボーイにも人類平等、敬称「さん」付けして距離感を取ろうとすることを理解できる。
  3. 責任の所在をあえて明確にしない
    和を尊び誰か人を責めるより罪を憎むことに共感できる。
  4. 決定に時間と手続きがかかる。
    十分過ぎるほど話し合って議論が煮詰まってから決定されることを我慢できる。

インドネシアにはムシャワラに基づく「話し合いによる合議制」を重視する風土がありますが、これらの日系企業の雰囲気を理解できるインドネシア人は、日本にもムシャワラの文化に近いものがあると理解してくれます。

ですから欧米系の企業で働いていたインドネシア人の日系企業への転職組は非常に少ないのは十分理解できます。

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