インドネシアの保税区の在庫管理システムで実装すべき内容

本記事のポイント

税関が求める四半期の在庫取引に関する受払履歴には、材料などの購入品と製品について、受払ごとに税関提出用フォーム(BC帳票)の種別、番号、日付等の情報が採番されている必要があります。

KBの定義

最近インドネシアに工場を建てたりITビジネスを展開しようとする会社が増えており、保税区(Kawasan Berikat)について聞かれることがあります。

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保税区はインドネシア語でKAWASAN BERIKAT(KB)、英語でBONDED ZONEと呼ばれ、以前はオランダ語とインドネシア語が合わさった略語EPTE(ENTREPOT PARTIKELIR TUJUAN EKSPOR=保税認可工場)というのもありましたが、最近はPKB(Pengusaha Kawasan Berikat)として保税区域内企業として扱われます。

Kawasan Berikat(KB)での活動内容は、工業製品の製造、原材料加工、デザイン・検査・輸入品や非保税区からの品物の梱包などなどで、ここで製造・加工される品目は輸出向けになります。ちなみに国内の非保税区をDaerah Pabean Indonesia Lainnya (DPIL)といいます。

KBの開発主はPenyelenggara Kawasan Berikat (PKB)、KBで生産活動する主体(工場)をPengusaha Di Kawasan Berikat (PDKB) といいます。

KBに工場があるメリット

  1. 税務上の優遇措置
    材料輸入時の輸入関税(消費税), 製品輸出時のPPNが免税。その他PPnBM(奢侈品販売税=ぜいたく品税),PPh Pasal 22が非課税になる。
  2. KB間取引ではBank Garansiの必要なし。

 

ただしこの場合、原材料輸入時に免税となった諸税は支払う必要ある。保税区で生産した製品でも、R/M輸入時の免税分を払えば国内出荷できるということ。

消費税・付加価値税(PPN)・関税の関係

ちょっと脱線しますが、そもそも材料輸入時の関税ってどこにジャンル分けされるのでしょうか?

消費税は消費について消費者が払うもので、商品を購入するときに支払う消費税、酒税、たばこ税などが該当し、関税は外国貨物(=輸入貨物)の消費に対して課税されます。

付加価値税(PPN)も同じように、物品および役務の消費に対し課税されますが、生産・流通の各段階で生じる付加価値に対して課税されるため、「付加価値税」と呼ばれます。

各事業者は販売時にVAT(売上VAT=Out)を得意先に請求し、購入時に仕入先に支払ったVAT(仕入VAT=In)を税額控除し、Outが多ければ月末納税、Inが多ければ年度末還付請求または翌年度繰越になりますが、実際に支払い行為を行なうのは事業者であり、サプライチェーンの末端に位置し購入時のVATを税額控除できない立場にある最終消費者が税額を負担するということになります。

だから消費税と付加価値税を負担するのは一般消費者(事業者が消費すれば事業者が)、関税を負担するのは事業者(一般消費者が消費すれば一般消費者が)ということになります。

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業務システムへの影響

KB工場の販購買システムでは以下の場合にBea Cukaiの書類が必要になります。BC2.6がDPILとの取引でBC2.7がKBとの取引で必要になり、末尾にはOutの場合が1でInの場合が2が付きます。

  1. Salesモジュール(出庫時)
    BC 4.1 :DPILへの販売(D/O発行時)
    BC2.6.1:KBからDPILへの販売(D/O発行時にBank Garansiが必要)
    BC2.7.1 :KBのKBへの販売(D/O発行時にBank Garansiの必要なし)
  2. Purchaseモジュール(入庫時)
    BC4.0:DPILからKBへの購入
    BC 2.3:R/Mの輸入
    BC2.6.2:KBのDPILからの購入
    BC2.7.2:KBのKBからの購入

税関からの在庫管理強化の指導

2013年1月から保税区の工場がBea Cukai(税関)から在庫管理の強化を求められています。

具体的成果物としてBea Cukaiが求めているのは四半期の在庫取引に関するレポートなのですが、四半期ということは2013年1月から4月までが初回の対象期間となっており、急な対応を迫られている保税区内工場も多いようです。

以前より税関は保税区内工場に対して在庫管理システムの透明化を求めてきましたが、今回特徴的なのは在庫管理のシステム化を求めていること、つまりExcelによる管理管理は許さないというところにあります。

ここでシステム化とは何?という定義が問題になりますが、要はDBを使ってデータとユーザーの一元管理を行えるものが税関の言うシステムと解釈されます。だから急場しのぎとしては今までExcelでやっていた在庫管理をAccessに置き換えるだけでも「システム化」と言えないこともないわけです。

税関が求める在庫管理の要点

簡単に言えば以下の5種類3種類の品目

  1. 材料と購入品
  2. 仕掛品(WIP)
  3. 製品
  4. スクラップ
  5. 機械とオフィス機器

これらについて以下の6種類のレポートが必要ということです。

  1. 入出庫
  2. 在庫移動(Move-in, Move-out)
  3. 現在庫(Current Stock)
  4. 在庫調整(Adjustment)
  5. 破棄(Scrap)
  6. 棚卸(Stock Opname)

そして取引ごとに税関提出用ドキュメント(BC帳票)の種別、番号、日付が入力される必要があります。言ってみれば本来やるべきごく当たり前の在庫管理システムをちゃんとやってね、というところでしょうか。

ただ実際には仕掛品まで履歴は求められないようなので、仕掛品については棚卸し数量のみで問題ないようです。

詳細内容

システム的には難しいところは特にありませんが、仕掛品の管理についてはストックポイントを最小限に絞って入出庫入力をさせることで十分対応できると思います。

  1. 在庫管理はシステムで行う。Excel管理データを元にした帳票はダメ。
  2. 在庫管理システムにはR/Mと購入品(bahan penolong)の材料倉庫(Gudang bahan baku)への入庫が記録されなければならない。入庫メニューが必要。
  3. 在庫管理システムにはR/Mと購入品(bahan penolong)の材料倉庫(Gudang bahan baku)からの出庫が記録されなければならない。出庫メニューが必要。
  4. 在庫管理システムには製品(Barang jadi)の製品倉庫への入庫が記録されなければならない。入庫メニューが必要。
  5. 在庫管理システムには製品(Barang jadi)の製品倉庫からの出庫が記録されなければならない。出庫メニューが必要。
  6. 在庫管理システムにはスクラップの入出庫が記録されなければならない。スクラップの入出庫メニューが必要。
  7. 在庫管理システムには在庫調整の記録がされなければならない。在庫調整のメニューが必要。
  8. 在庫管理システムには棚卸の記録がされなければならない。棚卸のメニューが必要。
  9. KBへの入庫メニューには以下の入力フィールドが必要である。
    ドキュメントの種類(Jenis dokumen pabean)
    ドキュメント番号(Nomor dokumen pabean)
    ドキュメント日付(Tanggal dokumen pabean)
  10. KBからの出庫メニューには以下の入力フィールドが必要である。
    ドキュメントの種類(Jenis dokumen pabean)
    ドキュメント番号(Nomor dokumen pabean)
    ドキュメント日付(Tanggal dokumen pabean)
  11. 入庫レポート作成メニューが必要である。
  12. 出庫レポート作成メニューが必要である。
  13. WIPの現在庫(Posisi barang)レポート作成メニューが必要である。
  14. 材料と購入品の在庫移動レポート(Pertanggungjawaban mutasi hahan baku dan bahan penolong)作成メニューが必要である。
  15. 製品の在庫移動レポート(Pertanggungjawaban mutasi barang jadi)作成メニューが必要である。
  16. 残り物とスクラップの在庫移動レポート(Pertanggunjawaban mutasi barang sisa dan Scrap)作成メニューが必要である。
  17. 機械とオフィス機器の在庫移動レポート(Pertanggunjawaban mutasi Mesin dan Peralatan perkantoran)
  18. ドキュメントごとに入庫レポートのデータのダウンロード(エクスポート)機能が必要
  19. ドキュメントごとに出庫レポートのデータのダウンロード(エクスポート)機能が必要
  20. WIPの現在庫レポートのデータのダウンロード(エクスポート)機能が必要
  21. 材料と購入品の在庫移動レポートのデータのダウンロード機能が必要
  22. 製品の在庫移動レポートのデータのダウンロード(エクスポート)機能が必要
  23. 残り物とスクラップの在庫移動レポートのデータのダウンロード(エクスポート)機能が必要
  24. 機械とオフィス機器の在庫移動レポートのデータのダウンロード(エクスポート)機能が必要
  25. オペレータごとのユーザログイン機能が必要
  26. Bea Cukaiスタッフ専用のユーザーログイン機能が必要
  27. 入力された最後のデータは最近のデータ(今日または1日前)のものでなければならない。
  28. データの変更は特別な権限を持ったオペレータによって行われる必要がある。
  29. システムで利用履歴が記録されなければならない。