リース資産として減価償却されるキャピタルリース契約

本記事のポイント

オペレーションリースはリース会社の資産を借りる実質レンタルと同じで、キャピタルリース(リース会社からするとファイナンスリース)=セール&リースバックは自分のリース資産なので減価償却費が発生し、リース期間終了後は本資産に振替えます。

付加価値税の二重発生問題とは、自分で買って(売買契約による資産の移転なのでPPN-In発生)自社資産になった後に、リース会社に売って(売買契約による資産の移転なのでPPN-Out発生)、リース会社に代わりに債務を支払ってもらって、リース会社から長期で利子付きで貸し直してもらって、リース契約時点で自社資産に戻す(売買契約による資産の移転なのでPPN-In発生)という、1回のリースバック取引で2回付加価値税が発生したことです。

自分で買ってリース会社に売れば付加価値税を相殺できそうですが、減価償却による損金計上ができなくなります。

セールアンドリースバック方式は自分で買って(売買契約による資産の移転なのでPPN-In発生)自社資産になった後に、リース会社と契約(金融取引で資産の移転は発生しないので非課税)し、リース契約終了時点はリース資産から固定資産への振替のみが発生します。

メリットとしては、売却せずリース資産に振替えるので、短期間で決済すべき債務(A/P)とは違って、長期間に渡ってリース債務を減らしていくことができるため、機械購入時の大きな支出を抑制できること、減価償却費として損金計上できること、リース会社への売却によるPPn-outを発生させないことです。

固定資産管理システムが管理するリース

他人の金でサービスを受ける身近な例を挙げると・・・・バリ島のレンタカー会社が不特定多数の旅行者に運転手付きでAvanzaを貸し出すレンタル、Amazonで買った書籍の代金をVISAカードで支払うと、VISAによる立替え後払いになるクレジット、ジャカルタの日系企業がリース会社とリース契約を結んで新型Inovaを購入し、3年契約でリース代金を支払っていくリース、BCAのKPR(Kredit Pemilikan Rumah)を利用して融資を受けて、15年分割払いする住宅ローン、などなどです。

レンタカーのAvanzaはレンタカー会社の資産、クレジットで買った書籍は消費者の資産、リース契約の新型Inovaは日系企業の資産(BPKB=Buku Pemilik Kendaraan Bermotor自動車登録証明はリース会社にキープされる)、KPRを利用して購入したマイホームは消費者の資産になります。

固定資産管理システムには以下の3つの機能があります。

  1. 固定資産管理
  2. 建設仮勘定管理
  3. リース管理

社用車として新型Inovaをリース契約する場合、費用計上されればオペレーションリースですが、固定資産であるリース資産の返済であればキャピタルリース(リース会社側から言うとファイナンスリース)になり、このうち固定資産システムのリース管理機能で管理するのはキャピタルリースになります。

リースバックにより資産を移転させメンテナンスの負荷を軽減する。

事業用資産を売却し、それをそのまま使用しながら購入側に使用料を支払うのがリースバックであり、売却によるキャッシュインが主な目的ですが、資産の所有権を移転することにより、資産の保守義務を移転することができます。

例えば国営通信会社Indosatは、インドネシアのあらゆる島々に電波塔を建てていますが、電波塔を建設してそれを保守管理専門会社に売却して借り受けることにより、保守の手間を外注化し本業に注力できるメリットがあります。

キャピタルリースによる節税とキャッシュアウト抑制

オペレーションリースでは、リース会社の資産をリース料を払って借りることにより、資産を費用化することで大きなキャッシュアウトを抑制する効果がありますが実質はレンタカーと同じです。

一方キャピタルリース(セール&リースバック)の場合は、自社の資産を売却せずリース資産に振替て、短期間で決済すべき債務(A/P)とは違って、長期間に渡ってリース債務を減らしていくことができるため、リース会社への売却によるPPn-outを発生させずして、機械購入時の大きな支出を抑制することができます。

工場側でリース資産として資産計上しているので減価償却が発生し、リース契約期間が完了した時点で、自社の固定資産に振替えることになりますが、ここでも購入(リース会社からすると売却)ではないのでPPn-inは発生しません。

例えば、償却年数10年の機械Rp.1,000,000を3年でリース契約を結ぶとします。購入時にかかるPPn-in 10%分Rp.100,000はリース金額に含めません。

(リース契約時)

  • 機械購入
    PPn-in 10%はリース契約金額に含まない。
    (借) Plant & Machinery 1,000,000     (貸) Lease A/P 1,000,000
    (借) PPn-in 100,000           (貸)A/P 100,000
  • リース契約金額
    売却ではないのでPPn-out 10%が発生しない。
    (借) Lease asset 1,000,000     (貸) Plant & Machinery 1,000,000

(月々の支払い)
機械のリース契約金額はRp.1,000,000ですが、購入金額は実際よりも低く、差額を支払利息としてリース料支払時に分けることもできます。

  • リース料支払(1,000,000÷3÷12)
    (借)Lease A/P 27,777        (貸)Bank 27,777
  • 減価償却費(1,000,000÷10÷12)
    (借) Depreciation 8,333          (貸)Accumulated depreciation 8,333

(リース契約期間終了後)

  • リース資産の固定資産化
    購入ではないのでPPn-in 10%が発生しない。
    (借)Plant & Machinery 1,000,000        (貸)Lease asset 1,000,000

(月々の支払い)

  • 減価償却費
    (借)Depreciation 8,333        (貸)Accumulated depreciation 8,333