システムと組織図の中の倉庫と部門

生産管理をシステムの機能面から見た場合、「購買管理+製造管理+販売管理」という主要機能に分解されますが、在庫移動が発生する場所という観点から見た場合、その場所で保管されるモノが生産に関わるか販売に関わるかによって「生産管理(購買と製造)+販売管理」と分類できます。

生産管理と販売管理という切り方

flow生産管理の受払実績によって、製品が当月何個いくらの費用をかけて出来上がったかという製造原価を算出でき、販売管理の受払実績によって、月初製品在庫と当月製品出来高の中から、実際に売れて出荷した分の費用である売上原価が算出できます。

製品総平均単価=(月初製品在庫+当月製品製造原価)/(月初製品数量+当月製造数量)
売上原価=製品総平均単価x出荷数量

売上原価を算出するために販売管理の出荷実績が必要であり、売上総利益を計算するためには販売管理の売上実績が必要になります。

売上-売上原価=売上総利益

在庫管理と原価管理という2つの視点

在庫と原価という2つの側面から見た場合には、工場は大きく3つの場所に大別され、それらの場所(倉庫)を管轄する部門は一般的には異なります。

  1. 材料倉庫(RM warehouse):購買部門が入荷実績を管理
  2. 製造工程(Plant):製造部門が投入実績と製造実績を管理
  3. 製品倉庫(Finished good warehouse):物流部門(営業部門)が出荷実績を管理

つまり製造原価を算出するためには、購買部門と製造部門が持っている以下の情報が必要になります。

  1. 材料倉庫の月初在庫
  2. 材料倉庫の入荷実績
  3. 製造工程の月初在庫
  4. 製造工程の投入実績
  5. 製造工程の製造実績

また売上原価を計算するためには、物流部門(営業部門)が持っている以下の情報が必要になります。

  1. 製品倉庫の月初在庫
  2. 製品倉庫の入庫実績
  3. 製品倉庫の出荷実績

そして製造原価も売上原価も両方とも計算するためには、購買部門と製造部門と物流部門(営業部門)が持つすべての情報が必要になります。

すべての受払データと在庫データは部門情報を保持している

業務システムのすべての受払データは発生部門を保持しており、受払の結果として倉庫に入る在庫データも、場所としての倉庫を管理する部門情報を保持しています。

物理的な組織内では、各部門が持っているExcel形式のデータをメールで送ってもらい取りまとめてからマージすることになりますが、その際には各部門のデータの対象期間やフォーマットが統一されている必要があります。

同じように生産管理システム上で管理される実績データも部門によってまとめられていますので、マージして売上総利益を計算するためには別々の部門コードを共通の部門コードに変換する必要があります。

生産管理システムの受払いに関わる部門(購買・製造・販売)は、在庫が置かれる場所を管理する組織図上の主体にあたりますが、会計システムや原価管理システムでは目的に応じてラインや製品グループなどが集計単位となります。

システム上では帳票の切り口や権限切り分けを目的として実在しない統括部門を設定したり、特定の部門に負担させることができない費用を計上するための架空の共通部門を設定することになります。

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