インドネシアの高品質コーヒーの代名詞マンデリン・トバ(Mandailing Toba)のコーヒー

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収穫前のコーヒーチェリーが実るコーヒー農園から臨むトバ湖は、長さ100km幅30kmで琵琶湖の2倍の面積がある世界最大のカルデラ湖(火山の活動によってできた大きな凹地に出来た湖)です。

インドネシアで最も多くのコーヒーが生産されるスマトラ島

北スマトラ州の州都メダン(Medan)の南90kmの標高900mにあるトバ湖の周辺にはマンデリン族(Mandailing)やバタック族(Batak)が住んでいますが、豊富な水と涼しい高原の気候はコーヒー栽培に適しており、そこで生産されるアラビカ種のコーヒーの銘柄がマンデリンと命名され世界的に有名になりました。

もともとオランダ植民地時代に持ち込まれて普及したアラビカ種のコーヒー栽培が、1908年のさび病の大流行によってコーヒー農園が大きな被害を受けた結果、さび病に強く低地でも生産できるロブスタ種に置き換えられる中、北スマトラのトバ湖北のマンデリン族によってアラビカ種の生産が受け継がれてきました。

マンデリンというブランドにはトバ湖周辺で栽培されるマンデリン・トバと、トバ湖南のリントン・ニフタ地区(Lintong Nihuta)のバタック族によって栽培されるリントン・マンデリンの2種類がありますが、単に「スマトラ・マンデリン」と呼ばれる場合はマンデリン・トバを指すことが多いようです。

以前日系商社が経営するメダンのコーヒー加工工場の加工実績を入力し、工程在庫管理を行うシステム導入の仕事に携わったことがありますが、コーヒーチェリーの皮や果実を落とす洗浄工程や、大きさに応じて区分けする選別工程のほとんどが手作業で行われ、グレードに応じて生豆が出荷されているとのことでした。

コーヒー独特の香りと深いコク

日本ではトラジャと並んで知名度が高く「ダークチョコレートのような」と評されるほろ苦いマンデリン独特の風味を引き出すために深煎り(ダークロースト)にされることが多く、コロンビアのブルーマウンテンがメジャーになる前は、世界一の評価を得ていたと言われるだけの風格があります。

ロブスタ種の豆と同じようにブレンドコーヒーのベースとして、またはカフェラッテやカプチーノでコーヒー風味を強めに押し出した濃厚なミルクチョコレート風味を出したい場合に適しており、うちの嫁さん曰くコラーゲンとクリーマーで真っ白にして、なおかつコーヒーの風味をしっかりと味わうにはマンデリン・トバが一番合っているそうです。

常夏のインドネシアですが、ジャカルタ市内のショッピングモール内やオフィスビル内はエアコンが効いてむしろ寒いくらいですから、休憩時間に冷え切った体に甘いjajanan(インドネシアのお菓子)とダークローストのマンデリンの組み合わせが非常にマッチし、「食後のコーヒー」というよりも「3時のおやつのコーヒー」に適した銘柄だと思います。

[風味の傾向]

  1. 香り ★★★
  2. 苦み ★★★
  3. 酸み ★
  4. コク ★★★
  5. 甘み ★

Djournal CoffeeGrand Indonesia西館GFにあるDjournal Coffeeは、インドネシアの若者文化の最先端を発信しつづけるコンセプト創作集団Ismayaグループがプロデュースするだけあって、店内フロアから見える厨房内の調理器具やインテリアなどがおしゃれであり、写真のとおりコーヒー豆のパッケージも(本当はペーパーバッグもおしゃれです)なかなかかっこいいので、日本からのコーヒー好きの出張者にプレゼントすると、インドネシアにもこんなおしゃれなカフェがあるんだと少なからず驚かれます。

店の名前ば「Journal」ではなく「Djournal」と旧字体(ejaan lama)を使っていることからもわかりますが、モダンクラシックなコロニアル調の雰囲気を演出しています。

マンデリンと言えばコクの深いビターなイメージがありますが、産地銘柄ごとの風味の傾向とは、あくまでも良質の豆を正しく保管し、丁寧に淹れた場合の特徴であり、豆の管理が悪かったり、古い豆を使っていたり、焙煎が浅過ぎたりすると、マンデリン独特の風味が消されて妙な酸味が残るアフターテイストになります。

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