コーヒーのマニュアルブリューイングによる淹れ方

本記事のポイント

マニュアルブリューイングの方法としてペーパードリップ式(Paper Drip)、サイフォン式(Syphon)、ベトナムドリップ式(Vitnam Drip)、フレンチプレス式(French Press)、エアロプレス式(Aeropress)があります。

フレンチプレスは豆から出る油やカスが紛れ込んで苦味を出すので、品質の良い豆に適しています。

サイフォン式でアルコールランプで熱した下の高圧状態のフラスコ内では水の粒子が凝縮されるので、上の低圧のフラスコのほうに逃げることで粒子を均一化しようとする、高校の化学で習ったエントロピー増大の法則に従います。

マニュアルブリューイングとマシンブリューイング

今月4月は地球環境保全活動月間アースマンス(Earth Month)ということで、スタバメンバーカード保有者がタンブラー持参すると30%引きでコーヒーが飲めますが、仕事帰りにGrand Indonesia西館GFのいつものスタバでBrew Coffee頼んだら、以前東館にいたなじみの店員のお姉さんから

店員
今日はグアテマラかエチオピアの豆どう?

と勧められたので、せっかくなのでグアテマラ産をマニュアルブリューイング(ハンドドリップとも言う)で頼んでみました。

価格はTallサイズでRp.33,500しますが、滅多に飲まないグアテマラの豆を挽きたてで、黒エプロンのバリスタによるペーパードリップによる淹れたてで飲めるのなら安いもんです。

バリスタの兄ちゃんによるグアテマラ産豆の説明はおおよそこんな感じ。

  • Floral aromas, toffee notes and a creamy chocolate mouthfeel
    花の香り、トフィー(キャラメルのお菓子)風味、クリーミーなチョコレートの口当たり

コーヒーはキャッチコピーで売る商品であり、違いが判る人がどれだけいるのか知りませんが、言われてみればなんとなくそんな味がするかも、と思ってしまうところがストレート(産地や品質などの単品)で飲む醍醐味です。

ちなみにここではコーヒーメーカーで淹れるマシンブリューイングも選べますが、ここはカウンター席でバリスタと世間話しながらドリップポット(ケトル)でお湯を注いで淹れてもらうほうが楽しいです。

ペーパードリップ式(Paper Drip)

manual
6種類のStarbucks Reserved

今回バリスタのお兄さんがやってくれるペーパードリップ式はポアオーバー式(Pour Over)とも呼ばれますが、始めに紙のフィルタに水を直接注いで紙の匂いを流してサーバーに溜まったお湯は捨ててしまい、次に挽きたてのコーヒー粉をフィルタに入れてから、ドリップポットで熱湯を一定量ずつ均等に少しずつ注いでいきます。

このバリスタ兄ちゃんに直々に淹れてもらう価値を評価するにはグアテマラパックRp.95,000/250gから逆算すると判りやすいですが、今回一杯Rp.33,500なので直接材料費だけで考えると2.8杯分で250gパックの豆が買えてしまいます。

自宅で淹れればTallサイズであれば豆は10g使うとして25杯分、ざっとRp.33,500x25杯=Rp.837,500、この差額Rp.837,500-Rp.95,000=Rp.742,500がバリスタ兄ちゃんに2.8杯分のコーヒーを直々に淹れてもらう潜在的価値ですから、一杯当たりのサービス料の潜在的価値はRp.265,178、この黒エプロンの兄ちゃんがいかに価値が高いか判るというものです。

サイフォン式(Syphon)

Syphon
Excelsoのルワック

Grand Indonesia西館3A階のExcelso Coffeeで、幻のコーヒー、コーヒー界の松茸的存在であるルワック(luwak)コーヒーを一杯Rp.115,000でサイフォン式で飲めますが、インドネシアではWifiを「ウィーフィー」、ウルトラマンを「ウルトラメーン」と文字面どおりに発音するのと同じ理屈で、このお兄さんはSyphonを「シーホン」と発音していました。

フラスコに水を入れてアルコールランプで沸騰させると、蒸気圧で水が上のコーヒーが入っているフラスコに上っていく光景がサイフォン式で淹れる場合の見所ですが、アルコールランプの火を消すと今度は気圧が下がって、地球の重力に従い水は下のフラスコに落ちていきますので、このときコーヒーが濾過(ろか)され、最後は下のフラスコに溜まったコーヒーを自分で注いで飲むというエンターテイメント性の高い理科の実験っぽい手法です。

ところで何で水が気圧の高いところから低いところに流れるのかですが、アルコールランプで熱した下の高圧状態のフラスコ内では水の粒子が凝縮されるので、上の低圧のフラスコのほうに逃げることで粒子を均一化しようとする、高校の化学で習ったエントロピー増大の法則を利用しています。

ベトナムドリップ式(Vitnam Drip)

Vitnam Drip
こっちが正解

ベトナムドリップコーヒーと言えば、こんな金属製の専用フィルターから一滴ずつしたたり落ちるコーヒーの滴を眺めながら、アジア的田園風景を眺めるイメージが一般的です。

下のグラスには必ずコンデンスミルク(Susu Kental Manis)が分厚く堆積しているのは、コーヒー生産量世界第二のベトナムでは冷蔵庫が少なくミルクの保存が効かなかったので、缶詰状態で常温保存できるコンデンスミルクが普及したらしいですが、自分の場合は疲れてよっぽど甘いものが飲みたくなったときくらいしか、下の堆積物とコーヒーを混ぜることはありません。

Vitnam Drip
Olivierではペーパードリップだった・・・

ただGrand Indonesiaでベトナムコーヒーと言えば、インドネシア人なら誰でもOlivier(オリビエ)というカフェの名前が思い浮かぶくらい、2016年1月に発生したコーヒー毒殺事件は衝撃的であり、被害者であるミルナが飲んだベトナムコーヒーからシアン化合物(青酸カリ)が検出され、CCTVカメラの映像から友人のジェシカが殺人の容疑で逮捕され、現在も公判中です。

Olivierは分煙が中途半端で禁煙席ですらニコチン臭がプンプンするし、サービス料10%+レストラン税(PB1)10%で合計21%というホテルと同じ税金がかかるのであまり行かないのですが、今回はじめて噂のベトナムコーヒーを頼んでみたらなんとペーパードリップ式できました。

フレンチプレス式(French Press)

Frenchpress上のExcelso Coffeeでコーヒー界の椎茸か舞茸的存在である税込Rp.40,000のKalosi Torajaを注文すると、お手軽なフレンチプレス式できますが、上のレバーをギュっと下に押すとコーヒーが凝縮されて下からムニュッっと液体が湧き上がってくるので、感覚的にコーヒーの濃厚な味わいが感じられます。

このフレンチプレス式は日本でもそうだと思いますが、インドネシアのカフェでもTeaで使われることが多いのですが、粗挽きにした豆を金網フィルターで抽出するということは、ペーパードリップでは除去されてしまうコーヒーオイルが一緒に取れるので、何分寝かせるかで風味が大分変わってくると思います。

今回のKalosi Trajaは多少舌に絡むようなザラつき感がいいのですが、逆に品質の悪いコーヒー豆の場合は変な苦味のあるカスや油が紛れ込んでくるので、いい豆を素材の風味そのままにお手軽に味わいたいときには、フレンチプレス式が適していると思います。

エアロプレス式(Aeropress)

aeropressこの注射器みたいなエアロプレス式はサイフォン式同様、器具が凝っており理科の実験的要素が強く、近所のGrand Indonesiaのスタバで衝動買いしてしまいました。

エアロプレスは豆の挽き方やプレスのスピードなどでコーヒーの味わいがいかようにも変えられるというユニークな抽出法らしいのですが、何と言ってもこの器具自体を触ったり組み付けたりするだけでも胸の高鳴りが押さえ切れません。

マニュアルブリューイングを売りにしているジャカルタのカフェでも、エアロプレスで飲める店は少ないと思いますので、しばらく遊んでみて改めてレポートします。