インドネシアでの自動車追突事故後に起こったストックホルム症候群

2016/05/21

ジャカルタの渋滞

犯人と人質が長時間非日常的体験を共有することで、お互いの境遇に共感し合い、人質が犯人に信頼や愛情を感じるようになる現象はストックホルム症候群と呼ばれています。

追突されたのはこれで2回目

ちょうど昨日金曜日の午後、Cikarangに向かう途中、TolのBekasi barat付近の大渋滞の中で追突されました。インドネシアでオカマ掘られたのはのは2回目です。

Tol 10km付近はLingkar luarとの合流地点で下り方面最大の難所なのですが、今回は完全に停止した状態で目を閉じてあくびしている最中に、いきなりガツンと衝撃食らいました。渋滞の中でもシートベルトはしといたほうが絶対安全です。

突っ込んできたのはKijang Inovaで、運転していたジルバブのおばちゃんはちょっとしたパニック状態でした。でも相手が日本人でラッキーだったと思いますよ。

事故って気づいたのはやはりAvansaのボディは薄いということで、突っ込んだKijang Inovaはエンブレムがちょっと傾く程度で特に凹んだ様子もなく、やっぱAvansaは力負けします。

バンパーがボディに3分の2程めり込んでおり、保険屋のお兄さんも「Parah sekali(これは酷い・・・)」と絶句しておりました。

6年前の思い出

6年前のCikarang Tol 30km付近、忘れもしない金曜日の夜、小雨の降る中の僕の後ろに停車していた旧型Kijangに、その斜め後方から来たSuzuki Swiftがかなりのスピードで突っ込み、前はぐしゃぐしゃの半損状態で、その1台前に居た僕のDaihatsu Xeniaはビリヤードの「コンビ」(他の的球を使って間接的に目的の的球をポケットする技)並みに、前の車に見事に「ポケット」されました。

僕が突っ込んだ先の車は、よっぽどやましいことがあったのかPolisi(警察)が来る前に逃亡したので、突っ込んだ張本人であるSwiftのお兄さんと、突っ込まれたKijangのおじさんと、「コンビ」を決められた僕の3人で示談交渉が始まりましたが、Swiftのお兄さんは俄然金払うの渋ります、コイツは。。

まもなく警察が来て3人ともSIM(免許証)没収され最寄の警察署に連行されかけましたが、突っ込まれたおじさんは「警察に行くと余計面倒なことになる」と言うし、僕も金曜の小雨の夜に警察署なんかに行くのは御免なので、3人の思惑が一致し滞りなく「泣き寝入り」が成立しました。

前後やられた僕のXeniaは、ちょうど保険が切れたタイミングだったため、7juta全額自腹になってしまいましたが、追突された衝撃で首がやられなくてラッキーだったと思います。

年間保険料

今回お世話になったのは、業界大手Asuransi Astraの自動車損害保険「Garda Oto」のComprehensiveという一括コースで、年間4万円いかないくらいの保険料を払っています。

  1. 全損を含むすべての車の損害を保険適用金額内で保障
  2. 賠償責任(Third Party Liability)を10jt以内で保障

Garda Otoの場合、「盗難による全損だけ保障してもらえればよいので保険料を安くしたい」という人向けに、全損のみ(Total Loss Only)もあります。

  1. 車両保険 139jt x 2.97% x 100% x 365/365 = 4,128,300
  2. 賠償責任 10jt x 1% x 100% x 365/365 = 100,000
    ------------------------------------------------------------
    合計 4,228,300
    契約更新値引 -317,112.5
    管理費 50,000
    ------------------------------------------------------------
    合計 Rp. 3.961,177.5

今の車両の評価額(Harga Pertanggungan)は139jtなのですが、2012年9月の購入価格が160jtくらいで、2013年9月から2014年9月までの評価額が145jtでしたから、8%くらいの定額法で評価されているんでしょうか、結構良心的だと思います。

保険申請(Klaim)の流れ

今回の事故では、自己負担としては、事故に対するリスク(Resiko sendiri untuk tiap peristiwa)として1回につき30万ルピア負担する必要があるのですが、これまでバイクに引っ掛けられた無数のキズもついでにこの際Body repairしてもらおうと思い、2回分60万ルピア払うことになります。

保険申請と修理の手続きの流れはこんな感じです。

  1. Asuransi Astraの窓口(Kota Kasablankaモール地下1F)に行って必要な書類に記入する。
  2. 車を検分され写真を撮られたり、ステッカー貼られたり、チョークでキズにマークをつけられたりする。
  3. いつも自分が定期メンテナンスしているAuto 2000 Supomo支店にBody Repairの予約をしてもらい、作業依頼書(Surat Perintah Kerja)を発行してもらう。←今ココ
  4. 明後日月曜日にAuto 2000に車を持っていく。
  5. 予想通り予約が入っておらず1時間半待ち。修理に10日かかるらしい。。

前回追突されたときは「渋滞中でも車間は十分空けておくべし「「極力真ん中車線を走るべし」と思ったものですが、今回は「日常生活は危険と紙一重」だと改めて感じました。

お昼過ぎの大渋滞の中、こちらは完全に停車した状態だったので、バックミラーを見てませんでした。見ていたら、もしかすると左右どちらかに逃げる隙があったかもしれません。

スマホでもいじってたのかな、あのおばちゃん。

Tolブカシ手前で追突事故を起こしてしまった

そして今回、恥を忍んで告白しますが今週水曜日のお昼前、ブカシ手前の大渋滞の中で前の車に追突しました。

居眠り運転、というより大渋滞にはまって停車している間、ドライブに入れた状態でブレーキを踏んで停止している間に寝てしまったようで、ブレーキを踏んだ足が緩んで前のトヨタYarisのお尻にドカーン。

ただ実際はドカーンと音がしてから1.5秒くらいは何が起こったのか判らないくらい爆睡していたようです。

追突してまず最初に考えることは皆同じだと思いますが、前の車から怖いお兄さんが出てきたらどうしようということ。

一般的にインドネシアには気性の荒いことで有名な民族(人種?)がおり、特にアンボン人、マドゥーラ人、バタック人あたりが出てきたらアウトなんですが、今回トヨタヤリスから出てきたのは色の黒い中華系のお兄さんだったので、ひとまずホッと一息。

もちろんすごい剣幕で怒っていましたが、そりゃそうだ。

悪いのはこっちなので、キチンと謝ってちゃんと弁償する旨伝えると、次第に相手も落ち着きを取り戻し、カラワンのベンケル(修理工場)に行って直接弁償することになりました。

  • 3時にお客とアポがあるのでちょっと・・・

仕事熱心な僕ですが、さすがにここでこれは言えませんでした。

僕が逃走しないようにSTNK(Surat Tanda Nomor Kendaraan)は没収され、トヨタヤリスに同乗していた彼の友人が僕の車の助手席に案内役(監視役)として乗り込み、気分は警察に連行される犯罪者です。

ストックホルム症候群

スラウェシ出身でジャカルタに来てまだ2ヶ月という友人君に謝りました。

  • Maaf ya, pasti kaget ya..(ごめんね、びっくりしたでしょう)
  • Tidak apa2, tidak sengaja kan? (いいよ、わざとじゃないだろ)

意外にも慰められてしまい、逆にこっちが拍子抜けしました。あー、なんていい人なんだろう。

ブカシからカラワンまでの1時間の道中で、スラウェシから出てきたばかりでさびしくて田舎に帰りたいこと、田舎には仕事がないので自分で商売するしかないこと、でも元手がないと田舎では何の商売も出来ないこと、などなど友人君の話をひとしきり聞いてあげた後には、言葉でうまく出来ない妙な信頼関係が出来上がったみたいで、カラワン到着してすぐアクアおごってくれました。

これが噂のストックホルム症候群というものなんでしょうか?被害者が犯人に共感して味方しちゃうやつ。

ベンケル(というよりKetok magic マジックの力で超特急で修理を完了させるという街の修理屋 ホントかよ・・・)で修理費用1.6juta支払った後に、道がわからない僕に東カラワンまでの道を丁寧に教えてくれて、最後には2人と固い握手を交わしてすがすがしい気持ちでベンケルを後にしました。

そしておととい、いつものAstraの保険屋に手続きしに行ったら、約1年前に追突されたときと同じ担当者に「また来たね」と含み笑いされた後、その足でAUTO2000に車預けてきましたが、こっちの負担費用は30万ルピア、修理期間1週間ということで来週一杯車なしの生活です。