PaaSで業務システムを自動生成し開発コストを短縮する時代

インドネシアで業務システム導入の仕事をやっていると、お客さんに対して技術面から言えば「このシステムは御社にとっては機能が多すぎてもてあましはしないですかね」と心の中で心配してはいても、営業面を考慮すると「今後の事業規模拡大を見越してカッチリしたシステムを導入しておいたほうがいいですよ」と自社製品を推奨せざるを得ないジレンマにたびたび陥ります。

業務のボリュームに合ったシステム

販売予測や内示情報から生産計画・調達計画を作成でき、単なる管理ツールの枠にとどまらず、事業戦略作成上の材料となるKPI資料(Key Performance Indicators 組織の目標達成の度合いを定義する補助となる計量基準)を作成できる、高機能で高価なシステムには、実は見えないところに以下の使用注意書きが添付されています。

  1. システムのコアとなるマスタは正確に入力してください。
  2. 実績は正確にタイムリーに入力してください。
  3. システムを運用するスタッフは、十分意識も技量も高い人を選定してください。
  4. このシステムにより生じた損害・逸失利益に関して、当社は一切責任を負いません。

これらの条件を満たしてはじめてシステムの効果が存分に発揮されるのですが、Upah Minimum Kabupaten (UMK 最低賃金)が高騰し、間接部門の人件費削減が重要課題となっているインドネシアの日系製造業で、IT選任担当者を置くほど余裕のある工場は少なく、高機能なシステムを導入したものの使いこなすことができず非常にコスパが悪い。。。

個人で車を買うときには、収入に見合った車はホンダCR-VではなくトヨタAvanzaである、という判断できるのに、企業としていざシステムを導入するときには、何故かフェラーリを買ってしまい、そのへんのプルタミナのPom bensin(ガソリンスタンド)でオクタン価88のPremiumガソリンを入れて、V型12気筒エンジンがパーということが起こりえます。

システム導入を安く済ませコスパを上げる

お客側では豊富な業務知識・経験を元にこんなシステムを構築したい、という思いはあっても、それをシステムという形に表現するにはSI費用 or ライセンス費用、プラス導入支援費用がかかります。

  1. スクラッチ開発
  2. オープンソースをカスタマイズ
  3. パッケージ
  4. SaaS(クラウド)型
  5. PaaS(Platform as a Service)で自動生成

SI業者による業務システムのサービス提供の形はなんであれ、お客がコスパを重視する以上、基本機能のみ短期間で導入し不足する機能は必要に応じてアドオンすることにより、人月費用のかかる開発期間を短縮してコストを下げるという提案をすることになります。

PaaSによる開発工数削減

SaaS(Software as a service)もPaaS(Platform as a service)もクラウドサービスの形態の違いであり、一言でいうとシステムをインターネット上で使うか、開発して使うかの違いです。

SaaSの場合、業務システム自体は既にサービス提供会社にて開発済みのクラウド専用システムであり、自社でライセンスを購入したWEBベースの会計システムを、データセンター上に置いてVPN接続によりプライベートクラウドとして利用するというのはSaaSには該当しません。

インドネシアでも、近年のインターネット通信速度向上により、会計、給与計算、人事管理等のSaaSサービスを「クラウド型業務システム」として提供している会社が出てきており、ライセンス一括購入、社内にサーバーを置いて管理するオンプレミス型から、クラウド型への流れは益々進んでいくと思いますが、やはりポイントはソフトウェア使用料をどれだけ低く設定できるかになると思います。

僕はインドネシアの日系企業はシステム投資をコスパの観点からもっとシビアに考える時代が数年以内に来ると思っているので、将来「昔はン千万円クラスのシステムを一括導入していた時代もあったなあ」と回顧することになるかもしれません。

一方でPaaSでは、サービス提供会社が開発した業務システムでは自社の業務形態に合わないので、独自に開発したいが開発期間を短縮してコストは抑えたい場合に利用される、はずなのですが業務システムPaaSサービスでこのレベルをクリアできるものは、今現在少ないと思います。

Salesforceやサイボウズが提供する開発プラットフォームは、現在のところ主にCRMなどの対顧客Webサービスの開発が対象であすが、業務システムのような更新系システムの分野には、販購買在庫管理システムから始まって、近い将来生産管理の分野にも広まってくると思います。

こんな投稿も読まれています