所得税申告の季節

毎年この時期になると、会社のスタッフがKantor pajak(税務署)に所得税申告(Pelaporan SPT Tahunan)のために有給とったり半休とったり慌しくなります。

毎年3月に前年度1年分の所得税(PPH21)の源泉徴収票(Bukti potong pajak PPH21)を持って税務署にいく必要があるのですが、大企業ならともかく中小企業で経理がおばちゃん一人の会社なんかはこの源泉徴収票の発行が遅れて、3月末ぎりぎり滑り込みで申告ということになります。

インドネシアで人材採用する場合、基本は給料の額はNETで提示して合意し、会社側で所得税手当(Tunjangan PPH21)を足してGrossの金額にしてから所得税を差し引いた後にきっちりと合意時のNET金額に合わせるというGross-up方式がとられますので、日本人が相手の年収から所得税や住民税や雇用保険を差し引いてだいたい手取りはいくらだね、と計算する煩わしさはインドネシアにはなく、逆に高給取りのインドネシア人の給料額を見て「手取りでこの金額なら日本よりいいじゃん」と驚くケースがよくあります。

所得のない失業者や専業主婦は申告の必要はないので、対象となるのは個人事業主か会社員になるわけですが、所得税支払い額を押さえるために、中小企業なんかは最低賃金Upah Minimum Propinsi (UMP)を下回って源泉徴収票を発行したりするわけですが、税務署職員もこの辺の事情はだいたいわかっているようですが、大勢のSPTをさばくために忙しいのでいちいち追求していられないようです。

ただし運の悪い人には、SPTの不備として事後に警告書が送られるようで、そもそも最低賃金下回って所得税申告していると、車のローン組んだり銀行のKPR(Kredit Pemilikan Rumah)利用して家買うときに邪険に扱われるリスクがあるようです。

なんせこのSPTフォーム記載方法が複雑で普通の人には難しすぎる、税務署に人が殺到するので順番待ちで半日潰れる、など問題があるようですが、近年インドネシアの税務署もオンライン化が進み、2015年は企業のPPN(付加価値税)申告がe-Faktur使用を義務付けられたように、個人所得税についてもe-Filingというオンラインの申請システムに移行しようとしています。

インドネシアは税体系が複雑な上に、納税分のうちどれだけ国庫にきちんと入っているのか怪しい面もありましたが、アホック州知事の下、KPK(Komisi Pemberantasan Korupsi)による取締りが厳しくなっており、かつて大規模自然災害が発生するたびに、外国からの義捐金で財政赤字を立て直すと揶揄されていたくらい国の歳入が不安定な時代から、少しずつ資本主義国家らしく所得税をきっちり徴収するシステムが整備されつつあります。

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