インドネシアのクラスターハウジング

ジャカルタ近郊と中部ジャワのクラスター区画住宅の価格差

先日嫁さんの用事にくっついて中部ジャワ州の州都スマランに2泊した後、乗り合いミニバンで古都ソロまで行って1泊して来ました。

インドネシアにはミニバンで都市間を結ぶTravel(トラフェル)と呼ばれる民間交通機関が発達しており、自分は昔、西ジャワのCirebon(チレボン)や中部ジャワのPekalongan(プカロンガン)に輸出用のバティック買出しのために、毎週金曜日仕事明けの夜Travelで出発し、土曜の朝現地到着、夕方まで仕事して日曜の朝便のTravelでジャカルタに帰る、という生活をしていました。

ジャカルタから450km東に離れたスマランから100km南に離れたSoloまでTravelの大手Xtrans社のミニバンで揺られること2時間弱、Solo Squareのスタバのお姉さんと世間話をした後、店内でコーヒー飲みながら地元で売り出し中のクラスター住宅(Rumah Cluster 集合住宅区画)のパンフ見てます。

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中間層の拡大に伴うクラスター販売ブーム

ちょうど先週、ジャカルタから東へ12kmほどの西ブカシ(Bekasi Barat)、大手ディベロッパーSummareconが開発予定のクラスターのモデルハウスを見たてきたばかりで、おおよそLT(Luas Tanah 敷地面積)104平米、LB(Luas Bangunan 建物面積)93平米くらいの小さなクラスターが1.6Milyar(1,500万円前後)でした。

  • ジャカルタ郊外Summarecon BekasiのクラスターのTunai Keras(現金一括払い)
    LT91㎡ / LB 65㎡ : 1.3Miliar(PPN10%込み)
    LT104㎡/ LB 93㎡ : 1.6Miliar(PPN10%込み)

Summareconの名前で売り出すクラスターは、開発地域内にショッピングモールやビジネスオフィスを併設し、地域開発の枠組みの中で売り出すため、利便性とブランド力分割高になりますが、これが2~3km外に離れたLT/LBが同程度のクラスターであれば、2割ほど割安になります。

そして今回、ほぼ同じスペックでジョクジャカルタとソロ近辺の中部ジャワのクラスターの値段が1Milyar(900万円前後)ということは、ジャカルタと中部ジャワの住宅価格差の目安は2割程度と見ていいかと思います。

  • ジョクジャカルタ・ソロSumber Baru LandのクラスターのTunai Keras(現金一括払い)
    LT112㎡/LB100㎡ : 980juta(PPN10%込み)
    LT133㎡/LB100㎡ : 1Milyar(PPN10%込み)

クラスター住宅の値段は、建物自体が同じスペックでも、立地や開発元ディベロッパーのブランド力、クラスター内設備によって変わるとはいえ、感覚的に中部ジャワの住宅価格はジャカルタの半値くらいと思っていたので、土地価格の上昇の波が地方まで広がっていることを改めて実感しました。

Rumah Kompleks PerumahanとRumah Clusterの違い

近年の経済発展に伴い、KPR(Kredit Pemilikan Rumah 住宅ローン)を組めば1,000万円から2,000万円くらいの間のマイホームに手が届く階層のインドネシア人が爆増し、ここに目をつけた大手ディベロッパーによる売り出し戦略がクラスターという住宅販売形態です。

Summareconの1,500万円~1,800万円ほどのクラスター住宅

安全性重視のクラスター住宅区画近隣には、生活利便性を高める中規模ショッピングモールやビジネスビル、学校などが建築され、周辺のアクセス道路沿いに3階建てのRuko(Rumah Toko 住宅兼店舗)を2,000万円から3,000万円で売りだし、マイホームを夢見る若い中間層が数年後の新しい職住近接のライフストーリーを描けるような仕掛けが盛りだくさんです。

クラスター区画には以下のような特徴があり、いわばアパートメントの住宅版と言えるかと思います

  1. 地区全体が高いフェンスで囲まれ、入り口ゲートは1つしかなく、24時間CCTVと警備員によるセキュリティ監視体制が敷かれている。
  2. 住宅のエクステリアの変更はクラスタ全体の統一感を損なうため不可。
  3. セキュリティ監視コストを下げるため住宅ユニットはフェンスで囲まれない。
  4. ジム、テニスコート、プール、公園などの複合施設の利用が可能

もともと分譲住宅と言えばRumah Kompleks Perumahanであり、同じく大手ディベロッパーによる住宅地開発の一環として販売されますが、区画はkavlingという単位で切り売りされ、どんな家を建てようが基本自由であり、当然自分のkavlingと外部とを仕切るフェンスを設置します。

住宅地には複数の出入り口があり、クラスタほどの厳重な警備体制ではないかもしれませんが、その分自由度があるというトレードオフの関係です。

クラスター住宅の維持費

クラスター住宅の場合、購入時の権利はHGB(Hak Guna Bangunan 建築利用権)である場合がほとんどで、通常は販売会社のマーケティングオフィスを通じてHak Milik(所有権)に変更することになり、先日知人のインドネシア人が敷地面積6mx13mで600万円ほどの小さなクラスター住宅のHGBをHMに変更するために5jutaほどかかったと言っていましたので、クラスタの場合権利の変更は問題なく行われるようです。

ただし敷地内の所有権は確保しても、クラスター地域内の通路や上下水道は、近隣住人との共用施設となり、維持費や修繕費はアパートメントと同じように管理費で賄われますが、今日時分ジャカルタのアパートメントの毎月の管理費が1平米あたり1万~1.5万ルピアとして月額100万ルピア以上はかかるのに比べて、クラスタの場合は半額以下に収まりますので、月々の固定費負担はクラスターのほうが断然楽です。

About the author: yamazou

インドネシアは世界第4位の人口2億5,000万人を抱え、そのうち若年層が25%を占める潜在的経済成長率が最も高い国の一つであり、なかでもジャカルタ近郊を含む都市圏人口は3,120万人と、東京都市圏に次いで世界第2位の世界屈指のメガシティを形成しています。
ジャカルタの街では高層ビルや地下鉄工事が急ピッチで進み、日々様相を変えつつあり現在進行形でアジアの経済発展を体感できます。