Pizza HutとFitsa Hats

2017年初頭、ここ最近のインドネシアのネット上ではFitsa Hatsという言葉が飛び交っています。

昨年末に発生したジャカルタ州知事Ahok氏辞任要求デモに関連して、事の真偽はともかくAhok氏によるイスラム侮辱行為を警察に告発する「Saksi(証人)」が何人もいますが、その中の一人にイスラム擁護戦線(FPI Front Pembela Islam)ジャカルタ支部事務総長のNovelという人が居ます。

Novel氏の訴えに基づいて、警察はBerita Acara Pemeriksaan(告訴内容に関する調書)を作成しますが、告訴人であるNovel氏が警察に申請した自分の履歴の中に、24年前にPizza HutならぬFitsa Hatsで働いていた、という記述があることに注目が集まっています。

イスラム強硬派の価値観としてはKafir(異教徒)が所有する会社で働くことは忌避されるべきことですが、Pizza Hutは思いっきりアメリカ資本の会社ということで、Ahok氏が「自分を告訴している証人の1人は、異教徒資本の会社であるPizza Hutで働いていたことが恥ずかしいのでFitsa Hatsと書き換えたのだろう」と口撃しました。

Novel氏は「警察がPizza HutをFitsa Hatsと間違えて記述しただけだ。」と弁明していますが、警察が作成した調書には、Novel氏による内容確認済みのサインがあることから、Novel氏の話の信憑性が疑われているわけです。

イスラム急進派の親玉クラスの人物がPizza Hutをインドネシア語っぽくFitsa Hatsに改ざんして過去の職歴をコソコソ隠そうとしたんじゃないの?ということで、Fitsa Hatsという言葉はTwitterのハッシュタグやコラ画像としてネットで拡散されています。

まあこの一連のエピソード自体は笑い話として面白いのですが、昨日この件について車の中で部下と話をしている中で

部下
Fitsa Hatsのミームがネットで出回っていますよ。
Sudah ada bayak Meme Fitsa Hats di Internet

と言われて、Memeという言葉についていけず、一般教養で負けた感を味わいましたw。

「ミーム」という言葉は小難しい科学概念っぽい印象があるのですが、どうやらインドネシアでは普通にLINEやネットで「ネットでの話題」くらいの軽い意味で使われているようで、これも英語との親和性が高いインドネシア語の利点の一つなのかなと思います。

日本人的には一般教養レベルではインドネシア人には負けないだろうと思いがちですが、英語の知識に関しては普通のインドネシア人のレベルは結構高いです。

インドネシア語の場合は、夏目漱石や森鴎外のような文豪が、外来語をインドネシア語に置き換える作業をしてくれなかったため、無理やり英語の波に飛び込む環境に入らざるを得ず、幸か不幸か現代インドネシア人の英語能力の高さに繋がっているのだと勝手に解釈しています。

昨日も会社の運転手との何気ない会話の中で、Thamrin通りのUOBビルを見ながら

運転手
Gedung itu kelihatannya tidak simetrik. Arsiteknya tidak bagus.
あのビルは左右均等じゃないねー、建築家は良くないよ。

と言われて、一瞬シンメトリックという言葉についていけずあせりました(あほ)。

今回のイスラム擁護戦線に属するような人のことを「宗教的にFanatik(狂信的)だ」と表現しますが、これも英語のFanaticから来た外来語で、普通に英語で覚えようとしてもすぐに忘れてしまうような単語でも、インドネシア語の外来語から覚えると、無意識のうちに連想記憶が働くのか不思議と忘れにくいように思います。

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