インドネシアで仕事をする上での実務と管理のバランス

チャンギ空港イミグレーション出国カウンターの機械化に感動

先日ビザ更新のためにシンガポールに出国し、翌朝の飛行機でジャカルタに戻ってきたのですが、チャンギ国際空港の出国イミグレーションが機械化されていたことに感動しました。

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グレーの四角が入国スタンプ、緑の丸が出国スタンプ

これまでの人による出国手続きカウンターの横に試験的に導入されたばかりのようで、インド系の係官が出国者の列の中から怪しくなさそうな人だけを選別して機械側に案内していましたので、幸いにも僕は怪しくないグループに属していたようです。

ただ出国時に機械化されるとパスポートに出国スタンプが押されなくなるので、インドネシア側で自分がいつどこから入国してきたのかをどうやって確認するのか不明です。

こうやって機械化が進むことにより、お役御免で配置移動させられて悲しんでいるイミグレ係官もいるんじゃなかろうか、などと他人の心配するほど余裕はないわけで、インドネシアで技術系の仕事をする際のジレンマについて考えました。

実務はインドネシア人で管理は日本人という構成

インドネシアで日本人が就労する場合、建前上は労働法2003年法律第13号の第8章第45条(pasal 45 ayat [1] huruf a UU No. 13/2003)にて規定されているとおり「インドネシア人に技術や専門知識の移転をする」ことが前提となるわけですが、必然的に「技術や専門知識」を要する実務をインドネシア人が行い、それを管理するのが日本人という構成になります。

そもそもコストパフォーマンスの点からも、日本人技術者が一人で仕事を抱え込んで実務を行うよりも、優秀なインドネシア人の実務担当者のクローンを増やして管理したほうが、利益増大という会社の目的にかなっています。

実務を行うインドネシア人を日本人が管理するには、実務にはそれほど精通していなくとも日本からの顧客の要求を理解できるだけの理論は最低限理解しておかないと、実務を行う技術者に指示を出す際に支障になります。

技術系の仕事は現場から離れると落ちるのはあっという間、というのはよく言われることで、ITの仕事でも普段インドネシア人技術者に指示を出すことに慣れてしまうと、いざ久々にコーディングしようとエディタを開いてもWhile文やSelect文の書き方すら忘れている有様です。

業務に関する知識はお客の日本人駐在員のほうが詳しいのは当たり前ですし、専門知識は日本から出張してくるメーカーの技術者のほうが詳しく、かといって実務はインドネシア人がやってしまうので、インドネシア在住の技術系の日本人は自分の技術力をキープするのに苦労しているのではないでしょうか?

実務能力は意識しないとキープできない

これはチャンギ空港の自動出国イミグレーションを通過してから、ライオンエアーの搭乗ゲートに向かっている途中で遭遇した掃除ロボットですが、家庭用のルンバのほのぼのとしたイメージが強かっただけに、デカイロボットが一人で掃除している様子は若干不気味でもあります。

実務は頭よりも先に体を動かさないと進まないわけですが、普段管理の仕事ばかりやっていると「現場の勘」が薄れてしまい、いざ実務をやろうとしたときに思い通りに手が動かず、そのうち面倒くさくなってモチベーションが急降下します。

自分の場合もソフトウェアの操作やコーディングという実務を自分で拾って来てでもやらないと、日本で実務をやっているお客さんと、普段自分の指示で実務をやっているインドネシア人技術者との間に挟まってサンドイッチ状態に陥ります。

日本の企業で現場で長年仕事をしてきた人が管理職になってから現場の勘を維持するのが大変と言われますが、同じことがインドネシアで仕事をする技術系の日本人にも起こりうるわけで、普段から意識して実務をやるモチベーションを高めておかないと、自分の付加価値が下がってしまい、気が付いたときには掃除ロボットに仕事を奪われてしまっているかもしれません。

About the author: yamazou

インドネシアは世界第4位の人口2億5,000万人を抱え、そのうち若年層が25%を占める潜在的経済成長率が最も高い国の一つであり、なかでもジャカルタ近郊を含む都市圏人口は3,120万人と、東京都市圏に次いで世界第2位の世界屈指のメガシティを形成しています。
ジャカルタの街では高層ビルや地下鉄工事が急ピッチで進み、日々様相を変えつつあり現在進行形でアジアの経済発展を体感できます。