総合原価計算の累加法と非累加法

総合原価計算では、三分法で帰納的に算出された製造原価を製造数量で割って製造原価単価を求めますが、原価管理システムを使うことで、直接材料費は総平均単価で計算され、製造間接費(製品に直接付与できない費用)は会計システムから部門集計され、配賦比率に基づいてコストセンターに一次配賦され、直接工数で品目按分することができます。

コストセンターは製造部門の工程であることが多く、必要に応じて設備(ラインや機械)単位に原価を集計し、設備の1ショットあたりの単価を計算します。

総合原価計算と個別原価計算

総合原価計算(マスプロダクション)

月末仕掛品を求めて月初仕掛品+当月製造費用からの差し引きで完成品製造原価を求め数量で割って製造原価単価を算出します。

総合原価計算を採用する工場には、通常は製造工程が複数あり各工程ごとに工程費を求めますが、製品に集計する方法には累加法と非累加法があります。

累加法は前工程の製造原価(期首+当月費用-期末)を自工程投入費用として振替えて三分法でマルチレベルに製品原価を算出するころがし法(Rolling costing)です。

第1工程:月初仕掛1+当月材料+当月加工1-月末仕掛1=当月仕掛1製造原価

第2工程:月初仕掛2+当月仕掛1製造原価+当月加工2-月末仕掛2=当月製品製造原価

非累加法は前工程費を含めずにシングルレベルで各工程費を計算し、それらを直接合計して製品原価を求める方法です。

(製品に占める第1工程費用)
月初仕掛1+月初仕掛(第2の第1部分)+当月加工1-月末仕掛1-月末仕掛(第2の第1部分)
(製品に占める第2工程費用)
月初仕掛(第2の第2部分)+当月加工2-月末仕掛(第2の第2部分)
第1工程費用+第2工程費用=当月製品製造原価

個別原価計算(個別受注生産)

受注生産では顧客からの注文によって一品一様であり、製品製造原価も製品ごとに違うので、受注ごと、製造指図ごとにそれぞれの製品の原価を個別に管理します。

製番管理される個別受注生産の工場では製造指図書単位(製番単位)に個別原価計算されます。

総合原価計算のための受払実績データ

材料を購入し、成形上がり品を外注に無償支給し、外注加工済み製品を出荷するプロセスで発生する生産管理システム上の実績データは下図のようになります。

jisseki

出庫実績 ⇒ 他勘定振替のため

他勘定振替として売上原価の控除仕訳を生成するために、仕損による廃棄や棚卸減耗に基づく出庫実績が必要であり、棚卸減耗や廃棄時点の仕掛品単価は、当月の「総平均単価+加工費」の積み上げで評価されます。

投入実績⇒直接材料費計算のため

受払の親子関係の中で、親に対して子が何個投入されたか。

生産実績⇒直接材料費計算のため

親が何個生産されたか。

支給実績⇒直接材料費計算のため

外注先に何個支給(出庫ではない)されたか。

購入・外注実績⇒直接材料費・外注加工費計算のため

材料に対して購入費用がいくらかかったか。また製品に対して外注加工費がいくらかかったか。
仕入返品は購入のマイナス数量とマイナス金額をインターフェイスすることで2つの処理を発生させます。

  1. 材料の購入実績をマイナス
  2. 材料の月末在庫をマイナス

売上実績⇒売上原価計算のため

売上返品は売上のマイナス数量とマイナス金額をインターフェイスすることで2つの処理を発生させます。

  1. 製品の売上実績・売上原価をマイナス
  2. 製品の月末在庫をプラス

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