生産準備のためのスケジューラーの活用法

最近インドネシアのテレビ番組でJKT48の露出が増えたこともあり、日本のアイドルサブカルチャーが少しずつ知られてきています。

インドネシアにはいわゆる日本的なアイドルはいない(たぶん)ので日本のアイドルがインドネシアでどう評価されているのか非常に興味があります。

インドネシアでは歌手は歌が上手いのが当然なのですが、日本のアイドルは歌が上手くなくても歌手として受け入れられます。むしろ「歌が下手な人が歌を歌っていることが日本のアイドル文化の特徴」(前山田健一語録)とも言えると思います。

いい歳こいてアイドルについて熱く語るのもなんですが、僕は日本のアイドルの独特のガラパゴス的なところが大好きであり、世界に誇れるカルチャーだと思っています。

生産準備とは

スケジューラーの目的は小日程計画の観点から見ると「生産計画を作成すること」ですが、大日程、中日程計画の面から見ると生産準備(Production preparation)として有効な活用ができます。

「コンサルタント日記」
http://www.lean-manufacturing-japan.jp/blog/

これまでスケジューラーの導入で大きな障害となっていたのがかんばん方式との併用の問題であり、僕もこれで痛い目に合いました。作業指示が仕掛かんばんによって行われる以上、選択肢はかんばん方式を止めてスケジューラーに切り替えるか、作業指示以外の部分でスケジューラーを利用することによって併用させるか、どちらかになります。

かんばん方式では「3ヶ月内示から生産準備」を行うのが通常ですが、この場合の生産準備とは主に以下の作業を指します。

  1. 内示情報から所要量計算をして原材料・外注の手配
  2. 内示情報から工場資源の予測ベースの能力計画
  3. 工程全体の見える化(全体最適化)
  4. 内示(バックワード)と確定(フォワード)から納期管理
  5. スループット最大化のためのシュミレーション
  6. 工場内資源再配置

作業指示はかんばんにまかせるとしても、上記の生産準備を生産スケジューラーの結果をもって行えれば、かんばん方式とスケジューラーの併用が実現することになります。

ただし需要変動が少なく安定生産されている工場では日々の作業指示は現場の判断で十分行えます。需要の変動が予測しにくくなるほど、より正確な計画を作成するためには可能な限り変動を反映させてリスケジュールする必要があるため、生産スケジューラによる作業指示が必要になります。

部分最適化と全体最適化

生産スケジューラーでは工場の中の工程の流れを一気通貫で見える化することができるので、工程単位ではなく全体最適化を考えるのに役立ちます。

生産管理システムは工程ごとに管理を分けている場合が多いですが、これではリードタイムを短縮するのに限界があります。各工程が工場内で工程ごとに仕切りがあったり建屋が分かれていたりすると、工程間の在庫は山積みとなり生産リードタイムが長くなります。

工程間を隔てる壁こそが、モノの流れと情報の流れを滞留させ、リードタイムが緩くなり仕掛在庫が増える要因であり、生産工程を串刺し状につなげ、生産に流れを作ることの重要性が判ります(ビールゲーム体験備忘録)。

生産スケジューラによって材料の所要量、工程への投入タイミングを明確にすることで、各工程間の在庫が削減されます。

納期管理

オーダが入ってくるとすぐに生産スケジューラで納期からバックワードに生産スケジューリングし、着手日、原材料の確認をして生産スケジュールをFIXすることでJust in Timeな生産スケジュールを作成します。

特急オーダはフォワードでリスケジュールすることで、最短でいつ生産が完了するかが確認できるので納期回答が迅速に可能になります。

直近の納期のオーダはフォワード割付で納期に間に合うかどうかを確認、遠くの納期のオーダはバックワード割付でいつ着手すればよいか、いつまでに材料を揃えばよいを確認します。

好景気時と不景気時のスケジューリング方向

経済成長のど真ん中にあるインドネシアのように好景気時は在庫削減とかリードタイム短縮よりも、スループットの増大が最大の課題になります。

ラインが空いていればとにかく手短なオーダを突っ込みたいところですが、 生産スケジューラを活用して現有資源でのキャパ最大化をシュミレーションできます。

一方、先のリーマンショックや中国経済の需要鈍化により、インドネシア国内製造業に対する需要が低下したときに、製造現場はオペレータが忙しいフリをするので無駄な動きが出来やすいです。

生産スケジューラがあれば、実際のところどのくらい忙しいかが論理的に解り、暇なら余計なものを生産しないで別の仕事をしてもらったほうがいいという判断がつきます。

2013年に入りインドネシアでは労使交渉が激しくなり労働者デモが頻発するようになりました。デモが発生すれば生産はストップし納期は遅れ、取引先に損害を与えることになります。

不測の事態を想定して事業継続の視点からBCP(Business Continuity Plan)を準備すると同時に、スケジューラーに起きてしまった事象を反映させリスケジュールを行なうことにより具体的な対応策を考えることができます。

生産スケジューラー導入直後に起こる納期遅れ

ERPのMRPによって生成される製造指示を元に動いていた現場に「生産スケジューラが生成した製造指図を元に製造してください」と言ったら製造現場は大ブーイングになります。

インドネシアでの実例ですが、SAPから初工程→第2工程→最終工程の3つの製造指図を発行している製造現場に、最終工程納期を基準にスケジューラーが生成した製造計画を導入し、双方に製造実績を入れたところ後者は納期遅れで真っ赤になりました。

スケジューラー導入当初は納期遅れだらけの真っ赤っかなガントチャートになりますが、これはあくまでもリードタイム短縮化の過程であると考え、無視する精神力が必要になります。この生産スケジューラのパラメータをチューニングして、製造リードタイムを段階的に短くしていくことも可能です。

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