部門別損益管理と部門別資産負債管理を実現するために必要なこと。

本記事のポイント

損益法での当月利益は「月末の収益-月末の費用」ですが、財産法での当月利益は「(月初の資産-月初の負債)-(月末の資産-月末の負債)」という資本の増分であり、両方とも同額になります。

損益法でのExpenseとRevenueの差であるProfitが、財産法でのEquitiesの増分になることにより、試算表等式Asset+Expense=Liabilities+Equities+Revenueが成立します。

日本はP/L作成後に次期以降の収益・費用の源泉となる資産・負債・資本項目を補足的にB/Sとして計上し、税法上の評価額をそのまま会計上の評価額として、償却が完了する時点で特別損益で処理するという収益費用アプローチであり、損益法の考えが強いのですが、IFRSが徹底され完全時価会計主義になると、国独自の税法で償却処理して、残存価額を評価損計上することが難しくなるかもしれません。

利益を損益から算出するか資産負債から算出するかの違い

収益(貸方)が費用(借方)に対して月末時点でどれだけ大きいかというのは

  • 月末の収益-月末の費用

であり、資産(借方)が負債(貸方)に対して月初から月末の間にどれだけ増えたかというのは

  • (月初の資産-月初の負債)-(月末の資産-月末の負債)

P/L and B/Sであり、両方とも同じ数字になります。要は1ヶ月で資本(貸方)がどれだけ増えたかということであり、「月末の収益-月末の費用」分が資本の増えた分、つまり当月利益になります。

利益を損益から考えることを損益法、資産負債から考えることを財産法といいます。

損益法は当月の損益科目を集計するだけで利益の計算ができますが、財産法では当月の資産負債の動きを集計すると同時に月初残高が必要になります。

月末時点の損益・資産負債ごとの残高を部門別に集計する方法

損益(P/L)と資産負債(B/S)の大きな違いは、翌月に繰り越すか繰り越さないかであり、P/L科目は当月発生分の損益科目にG/L上で部門コードが付いてさえいれば、月末の発生額合計で部門別損益として集計できます。

一方でB/S科目は、当月発生分の資産負債科目にG/L上で部門コードが付くのはもちろん、かつ月初の前月繰越残高も部門別に把握できる必要がありますが、前月以前発生分の資産負債科目はG/L上で部門コードは付いていないか、もしくは「会社全体」などという代表部門が付いているケースがほとんどです。

よって会計システム稼動後に資産負債の部門別集計を行なうためには、あるタイミングをカットオフと定めて、月末残高を同一科目間で「借方が部門別、貸方が代表部門」という部門別に振替える相殺仕訳をおこす必要があります。

Dr. Cash/Bank(部門コードA) 10    Cr. Cash/Bank(部門コードなし) 30
Dr. Cash/Bank(部門コードB) 10
Dr. Cash/Bank(部門コードC) 10

 

これにより翌月からG/L上で資産負債科目を部門コードで集計することが可能になります。