日本主導型の海外拠点システム導入プロジェクトで発生する問題を回避する方法

インドネシア語で欧米人のことをorang buleと呼びますが、インドネシア人の欧米嗜好は日本人以上であるとはいえ、日本人と違ってインドネシア人はもっと堂々と欧米人と接しているように見えます。

これはインドネシア人が英語上手いというものありますが、文法が間違っていたとしても臆せず平気でしゃべる英語度胸の違いだと思います。

僕もたまに英語を喋る機会がありますが「しゃべった英語が通じなかったら恥ずかしい」というネガティブな気持ちが必ず湧いてきて、実際に通じないという状況に陥ったときそのまましどろもどろになります。

インドネシア人の場合「自分の英語が通じるか試してみよう」とポジティブに考えるので、こっちがインドネシア語でしゃべっていたとしても、頼んでもいないのに英語で返してくるヤツが多い。。。

以前はインドネシア人のこんな態度を苦々しく思っていましたが、最近は逆にインドネシア人のいいところだと見直すようになりました。

海外拠点導入プロジェクトの支援体勢

日本主導で海外拠点のシステム導入を行なうという企業をサポートする方法としては大きく3つに分かれます。

  1. パッケージベンダーによる自社パッケージ導入
  2. Sier(システムインテグレーター)による推薦パッケージ導入
  3. コンサルティングファームによる業務アドバイザリーサービス(外部成長支援)

海外拠点のシステム導入プロジェクトは要件定義を元に導入支援を行い、現行システムからの移行作業を経て導入後のフォローアップに繋げていくのですが、このプロセスの中で必ず課題となる問題が以下の3つです。

税法や商慣行、文化の違いのシステムへの影響の把握

同じグループ会社で同じ目的でビジネスをやっているわけですから、基幹業務は同じで枝葉をローカライズすればいいということは自明なわけですが、実現方法としてはパッケージの機能を工夫するか、外部プログラムのインターフェイスとして実現するかのどちらかになります。

ほぼ間違いなく発生するカスタマイズとして帳票がありますが、特に損益管理や予実管理に関する帳票は、切り口を部門にするか製品グループにするかなどによってフォーマットが変わるため、パッケージの帳票作成ツールでカバーしきれるとは限らず、その場合は外部プログラムから直接データベースにアクセスしCrystal ReportやExcelで出力することになります。

また著名なパッケージは必ず独自の基本思想なり哲学に基づいて開発されており、例えば「マイナス在庫を許容しない」とか「入荷前出荷を許容しない」などの基本思想は決して変えることができませんので、外部プログラムにてパッケージのマスタを利用しながら在庫や入荷の制約なしに出荷を行いInvoiceやDelivery Noteを発行する仕組みを開発します。

ローカルスタッフへの展開方法。

日本主導の案件では日本側からインドネシア現地側の情報や空気が読めていないのが普通ですので、現地のために良かれと考えてやったことが、逆に現地からの大ブーイングに合うこともあります。

「現地スタッフとコミュニケーションを密に取り合うことが重要」とか言われても、システムの基本方針を決める要件定義に現地スタッフを召集したとしても、各部門担当者は日常業務で手一杯。

モニターの向こう側からああやれ、こうやれとうるさく言われると「遠い安全な場所から無責任に意見だけ押し付けて請求書は現地に回すおせっかい日本人」というレッテルを貼られるのが関の山です。

そして運用の段階に入ってから何かと「それは日本が勝手に決めたことだから」と完全にそっぽを向いてしまい、日本側とインドネシア側に大きな溝を生みかねません。

蛇の道は蛇じゃないですが、現地スタッフへの展開は同じインドネシア人にしかできないのであり、日本人がやるべきことは現地スタッフ同士のコミュニケーションにより、システムがうまく展開されるよう側面から支援すること。このとき日本人は敢えて嫌われ役にもなります。

導入後の保守体勢の構築

どんなにカッチリ日本本社主導で要件定義を重ねていたとしても、導入後に現地サイドの要求で伝票、帳票の修正や追加機能のリクエストが必ず発生します。

完璧にバグのないパッケージを導入したとしても、ネットワーク回線や機器の不良、または単なる自分のポカミスでサーバーにアクセスできなくなった時に「業務システムがクラッシュしたぞ」と不条理な怒りの電話を受けて対応できるのは、現地に居る人間だけです。

そして現地スタッフのリクエストに応えるためには、現地法人の企業風土に合ったインターフェイス開発行なわないと「日本は現地のことを全く分かっていない」という反発を食らいます。日本サイドでは必要ないと判断した要件が、インドネシア人にとって非常に重要な要件であることもあるのです。

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