MRPでオーダが確定され受入確定量化する意味

オーダの前倒しと予定の遅れによる後倒し

資材所要量計画(MRP)はMPS(基準生産計画 所要)を元に所要量展開を行い、仕掛品や材料の現在庫を差し引いた正味所要量を計算すると同時に、L/T(リードタイム)分だけ「前倒し」することで購買オーダや製造オーダの発行タイミングを計算します。

このように納期を基準に後工程から順番に「前倒し」するという大前提があるため、予定の遅れによりオーダが「後倒し」で確定されると、時間制約違反を起こさないという条件の中では、次工程にとってその不足分のオーダを補充生成する必要がでてきます。

ただしMRPの基本は正確な正味所要量の計算にあるため、オーダの「後倒し」に確定され受入確定量化すると、所要量の不足は時間制約違反を無視して、「後倒し」されたオーダも「前倒し」して引き当てることで、余分なオーダを生成しません。

MRPこの受入確定量で余分なオーダを出さないようにする機能がシステムを運用する人間から見たとき、オーダ間の紐付けを見づらくしてしまうとも言えます。

MRPでは後倒しで確定したオーダが必要日の早いオーダに紐付きますが、生産スケジューラーではオーダが後倒しで確定すると、前後作業がひきつけられて移動し、割付開始日を越える過去日のオーダは「無視」され突き抜け無限能力で割付けられるか、「強制割付」され計画基準日内に無限能力で山積みされることになります。

計画系システムのカットオフの難しさ

システムのカットオフが難しい最大の理由は、カットオフ時点でも過去に入力されたオーダが存在し継続中であるからであり、計画系システムのカットオフが実績系システムに比べて難しい理由は、カットオフ時点でのデータの管理が実績系に比べて不明確だからです。

  1. 実績系:受注残、発注残、発行済みインボイス等⇒明確
  2. 計画系:製造残(発行済み製造指図)⇒不明確(指図を出していないところもある)

受発注業務は仕入先や取引先との関係上、発行済みオーダとクローズしたオーダを明確に分ける必要がありますが、製造業務はライン停止やライン変更、材料不足など社内の事情によって柔軟に変更されるため、カットオフ時点でのデータの切り分けを明確に行うのは難しくなります。

生産管理システムや原価管理システムの中で「ローリング」という言葉が使われますが、これは「連続性の中で積み上げられる」という意味で使われており、実績の積み上げである原価計算よりも、実績である在庫と注残以外に、予定である受入確定量を考慮しなければならないMRPはより複雑である言えると思います。

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