生産管理システムにおける返品処理の実装のされ方

出荷返品時の対応パターン

出荷から売上に繋がる処理には順番がありますが、自動車部品業界では出荷同時売上が基本なので出荷完了処理によって自動的に売上処理が完了します。

  1. 出荷指示
  2. Invoice登録
  3. 出荷完了
  4. 売上

インドネシアの場合、返品時はTukar gulingと呼ばれる代替品発送が多いのですが、返品処理パターンは以下が考えられます。

  1. パターン1
    返品と代替品を物理的に取り替えるだけ(Tukar guling)。
  2. パターン2
    すべてキャンセルし、返品後の実績納品数で最初から入力。
  3. パターン3
    売上・インボイスをキャンセル後、出荷返品処理により元の出荷数に対する返品マイナス修正を追加した修正Invoiceを発行。
  4. パターン4
    月締め後の返品受注によりマイナスInvoice発行、マイナス出荷(返品入荷)、マイナス売上を計上。

なかでも最も手軽な処理方法は、システム上なにもせず代替品を発送する方法であり、これは月内でも月締め処理後でも対応可能です。

(パターン1.1)

  1. 10個出荷し100売上計上
  2. 2個NG発覚、返品が入荷するがシステム上処理しない。
  3. 2個代替品を出庫するがシステム上処理しない。

この場合、返品入荷品と代替品を物理的に取り替えるだけであり、ロット管理しなければ問題ありませんが、ロット管理でトレースが必要な場合には、システム上のロットと現品が合わなくなります。

これを防ぐために、返品の入荷と代替品の出庫を在庫調整で行う場合は以下の流れになります。

(パターン1.2)

  1. 10個出荷し100売上計上
  2. 2個NG発覚、返品が入荷する場合、在庫調整で入庫処理を行う。
  3. 2個在庫調整で代替出庫処理。

この処理の問題は、システム上で2個の代替出庫と出荷実績が紐付かないことであり、そのために出庫伝票を発行し、代替出庫処理の備考欄にどの出荷実績に対する代替出庫なのか判るよう出荷番号を記録する必要があります。

もし返品の履歴すら必要なければ、売上から出荷完了・出荷指示まで全部キャンセルし、最初から8個の出荷として修正再入力することもできます。

(パターン2)

  1. 10個出荷し100売上計上。
  2. 2個NG発覚、返品入荷に伴いすべてをキャンセル。
  3. 8個の出荷指示・出荷完了・インボイス登録・売上処理。
  4. 返品2個は検査倉庫へ移動。

ただシステムとしての本来あるべき処理は、該当出荷に対して出荷返品処理を行い、代替出荷が必要であれば別途新たな受注登録を行い出荷し、備考欄にどの受注に対する代替出荷か履歴を残すことだと思います。

(パターン3)

  1. 10個出荷し100売上。
  2. 2個NG発覚。
  3. 売上・Invoiceキャンセルと出荷返品処理し返品倉庫に2個入荷。
  4. 「出荷100-返品20」の修正Invoice発行、あらためて売上登録。
  5. 代替品2個の新規受注登録・出荷処理を行い備考欄にどの出荷に対する代替出荷か明示する。

この場合に生成される会計仕訳は、インボイスNOに紐付けて、売上調整として間接的にマイナスします。

当月(債権発生)
Dr. AR 100      Cr. Sales 100
当月(売上調整)
Dr. Sales adjustment 10       Cr. AR 10

これが月締め後の返品であれが、返品受注処理にてマイナスInvoice、マイナス出荷、マイナス売上を計上します。

(パターン4)

  1. 前月に10個出荷し100売上。
  2. 当月に2個NG発覚、受注返品処理でマイナス2個受注
  3. マイナス2個のマイナスInvoice発行
  4. 出荷返品処理でマイナス2個を計上することで返品倉庫に2個入荷。
  5. マイナス20の売上登録。

受注返品処理用の新規インボイスNOを発番し、出荷返品処理でマイナス売上実績を計上することにより、原価計算の売上原価が正しく修正されます。

前月(債権発生)
Dr. AR 100      Cr. Sales 100
当月(売上調整)
Dr. AR -10       Cr. Sales adjustment -10

ロットトレース

客先納品後、NGはすぐに発覚するとは限らず、客先の製造工程の最終チェックで初めて発覚するケースもあり、返品部品のロットを特定できるとは限らないのが現実です。システムでロット管理を行う場合は以下の3つを意識する必要があると思います。

  1. 現物の動き(現品票のロット番号)とシステムの動き(システムのロット番号)が一致していること。
  2. 現品票で現物とシステムをロット番号で結びつけること。
  3. 製造指図発行時の投入ロットの引き当て、または製造実績入力時に投入ロットの選択という人間に意識が介在すること。

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