インドネシアの未来のポテンシャルを体感したければスタバに行こう。

2016/09/21

インドネシアのスターバックス

生産年齢人口が従属人口の2倍以上ある人口ボーナス状態が2030年まで続くインドネシアの未来のポテンシャルを体感したければ、スターバックスに集まる将来の経済成長を支える若いビジネスマン達を観察することをお勧めします。

スタバに集まる次世代のスタートアップ達

自分はこのブログを通じて、いかにインドネシアのスタバが最高かということを訴え続けており、インドネシア経済の潜在能力を体感したければスタバに行くことを推奨しています。

2億4千万人という世界第4位の人口を持つインドネシアは、人口構造も綺麗なピラミッド型で、2030年頃まで人口ボーナス(15~64歳の生産年齢人口が、0~14歳と65歳以上の従属人口の2倍以上ある状態)が続くと言われており、働き手1人あたり2.3人の高齢者を支える日本からすると、うらやましいくらいのバラ色の経済成長が見込まれます。

たまにしか来ないチカランのスタバで名前で呼ばれたので「えっなんで」と思ったら、Rest Area 39KMでなじみだったお姉さんが配置転換されていた。誰だって名前で呼ばれると嬉しいもんですね。インドネシアが住みやすい理由の一つが人の良さであり、スタバの店員やコンビニの店員と気さくに会話が出来る国は、世界中にそれほど多くはないのではないかと、駐在経験豊富な友人が言っていました。

また外国からのVC(ベンチャーキャピタル)による投資活動が活発に行なわれているのは、東南アジアの中でもスマホアプリやEコマース分野での有望なスタートアップが多い証であり、PCよりも手軽に買えて扱えるモバイルファーストの国民性が、毎年50%以上のEC産業の成長を支えています。

スタバにはこういう活気ある市場で次の成功を夢見る若いお姉さんやお兄さん達がそぞろ集まってきて、Mac book開いてビジネスプランを練っている訳です。まあ実際は遊んでいる人も多いでしょうけど。

勝手にコンセント使っても盗電にならないインドネシア

日本ではカフェで勝手に許可なくスマホのチャージすると盗電になり、下手すると警察沙汰になるみたいですが、インドネシアではカフェやレストランで電源取るのは、空が青いのと同じくらい当たり前のことであり、日中のスタバはノートPC開いた学生やビジネスマンに占拠されて、電源確保のための椅子取りゲームが大変です。

インドネシアで盗電(Curi listrik)と呼ばれるものは、工場やビルが分電盤を改造して摘発されるというような悪質なものから、個人が電柱から勝手に電線を引こうとして感電死、とか笑えないニュースまでありますが、 盗電によるPLN(Perusahaan Listrik Negara)の年間損失額はRp. 1.5 Trilyun(1.5兆ルピア=約120億円)というとんでもない額になっています。

スタバで今日からラマダン月入りだと知った。この贈り物セットはムスリムでなくとも欲しいやつ。イスラム仕様のカップやグッズは、インドネシアのスタバ愛好家にとってはもはや風物詩ともいえます。

盗電で一番メジャーなのは、PLNから設置された10A対応のサーキットブレーカー(Miniature Circuit Breaker 略称MCB)を20A対応のものに変えて、一般的な230Vの電圧環境での電力(daya listrik)を2300Wから4600Wに倍増させ、その分メータ(kWh meter)が回らないようにジャンパー線の配線を変えて回転を遅くするという結構手が込んだやり方です。

カフェにあるコンセントをあたりまえのように使えるというのは、店側からするとコンセントを設置することで客が来る一方で、コーヒー一杯で長時間粘られると回転率が落ちるというジレンマがあるはずなので、インドネシアのカフェも日本みたいに電源利用を規制するようになり、それも時代の流れとしてあきらめざるを得ない日がいずれ来るのかもしれません。

インドネシアのスタバが最高だと思う理由

日本に滅多に帰国しないので日本のスタバの状況は詳しくありませんが、出張者の話を聞く限り日本よりもインドネシアのスタバのほうがプロモの種類と回数が多くラッキーだということは間違いないようです。

日本人はまじめなのでプロモをかけなくてもお金払うということなんでしょうが、自分の場合は日本に帰国した際にもインドネシアのメンバーカードは使えないし、電源も好き勝手に自由に取れない、下手すると盗電呼ばわりされるとなると、インドネシアのスタバのサービスに慣れてしまった今、日本でスタバに行く理由はありません。

以前はインドネシアのスタバの最小サイズはTallサイズなので、日本にShortサイズがあることがうらやましい(1回で飲むブラックコーヒーの適量はShortサイズだと思う)と思っていましたが、よく考えると240ccのshortサイズと360ccのTallサイズの価格差が40円程度だったらshortはかなりの割高になります。

お昼はスタバのリワード、タダより美味いものはなし。仕事の都合上、時間調整のためスタバに入ることが多いのですが、特に意識もしないうちにリワードが溜まっており、ある日唐突に店員さんに「リワード使いますか」と聞かれるときのお得感たるや、見事にスタバの戦略に転がされている感があります。

そして日本のスタバと比べてインドネシアのスタバの大きな特徴の一つは、プロモの種類と回数がやたらと多いことであり、だいたいスタバの前を通りかかって、朝一とかいつもは空いている時間に客が並んでいたらなんかプロモやってるなと判ります。

それくらいプロモを打ち出す戦略はインドネシアで効果を挙げており、提供するサービスを細分化して、あらゆるニーズを取りこぼさないようにしようとすることが、インドネシアのサービス業の常道になっているのかもしれません。

プロモーションの数が多いインドネシアのスタバ

なかには日本のスタバにもあるかもしれませんが、ざっとインドネシアのスタバの特典を挙げてみます。

  1. タンブラーやテルモスtermos(水筒)持参で割引
    これは日本にもあるサービスで、通常の日ではタンブラー持参で、ドリップコーヒーTallサイズRp.21,000がRp.18,000(14.3%オフ)なります。

  2. タンブラーズデイ(TUMBLER’S DAY):毎月22日
    4月22日のアースデイEarth Day (地球の日)にあわせて、毎月22日をタンブラーズデイとしてコーヒー飲みながら地球環境について考えようという意図らしく、毎月22日にはスタバに行列が出来るので、スタバの前を通って今日が22日であることに気づいたりするくらいのプロモの効果を挙げており、人間数万ルピアのためにこんなに人が集まるもんだと行列を見るたびに感心します。スタバオリジナルのタンブラーやテルモス以外でもディスカウントが効きますが、タンブラーズデイにはスタバのタンブラーでないと半額になりませんので注意が必要。

  3. メンバーカード読み取り機のトラブルでダウンサイズ価格
    スタバメンバーカードで支払う際に、読み取り機が故障していた場合、お詫びのしるしにダウンサイズした価格になりますので、TallサイズRp.21,000がShortサイズRp.18,500になります。ちなみにタンブラー持参で読み取り機が壊れていた場合、TallサイズではなくShortサイズの価格Rp.18,500からRp.3,000引きでRp.15,500となり、かなりのお得感が得られます。

  4. アンケート系(1杯無料)
    スタバのサイトにアクセスして、レシートに書いてある番号を入力してアンケートに答えると一杯無料になるサービスは日本でもあるかと思います。

  5. 選挙系プロモ
    今月4月19日はPILKADA(PemILihan KepAla DAerah)ですが、インドネシアの選挙会場では二重投票防止のため、インクの瓶に指を浸して投票済みの目印としますが、今回のジャカルタ州知事の決戦投票や大統領選挙など大規模な選挙の投票率の向上に一役買うために、投票済みのインクの目印のある人に特別割引を設定します。但し時間帯限定の指定がある場合があるので注意が必要。

  6. 記念日系プロモ
    8月17日の独立記念日、スタバの誕生日HUT(Hari Ulang Tahun)、BCA銀行の誕生日などには、その近辺の数日間は半額もしくは60%引きになります。

  7. アースマンス(Earth Month):4月
    4月はタンブラーまたはマグカップ持参者は、通常はドリップコーヒーが14.3%オフになりますが、スタバメンバーカード保有者に限って30%オフのRp.15,400という非常に懐に優しい価格になります。
  8. ハッピーアワー:毎月15日の3時~7時
    全飲み物と食べ物が半額になりますがスタバメンバーカード保有者に限ります。
  9. 他サービスとのコラボ系プロモ:不定期
  10. BCAのクレジットカードで支払うとフリーアップサイズでTallサイズがGrandサイズになりますが、インドネシアの銀行のクレジットカードを持っていない自分には縁のない話です
  11. LineアプリのクーポンでBuy 1 Get 1サービスがたまにあります。

携帯キャリアーの通話&データ通信プランの複雑な価格体系なんかもそうですが、インドネシアの消費者人口が多く、個人の経済事情や家庭環境に応じて広く浅くサービスを展開するほうが、専門性を追求する戦略よりも儲かるから「専門店のサービス」よりも「ファミレス系のサービス」になっていかざるをえないのかもしれません。