外注先への有償支給と無償支給

仕入先直送

以前バリ島で家具の輸出業を営んでいたとき、日本で新たにビジネスを立ち上げようとする人から

こちらで注文をとるので、リスクは御社持ちでバリ島からお客さんに直送してもらえませんか?

という問い合わせを何度ももらい辟易しました。

当時は在庫を持たずしてリスクゼロでネットショップを開きたいという魂胆に嫌悪感すら覚えましたが、今ではドロップシッピングはアフィリエイトというビジネスにしっかり成長しています。

このドロップシッピングは業務システム上では仕入先直送機能に該当し、得意先A社からの受注登録をすることで自動的に仕入先B社への発注情報が生成され、入荷実績は自社倉庫ではなく得意先A社に上がることになります。

日本本社がアメリカ支社から商品を受注し、日本本社がインドネシア工場に発注し、インドネシア工場がアメリカ支社への直送を行なうというような三国間取引をイメージすると理解しやすいと思います。

ERPシステムで受発注機能と会計機能が連動している場合には、受注登録に基づく発注登録を行った後に行う仕入先直送登録によって

  1. 入荷
  2. 仕入(材料/債務)
  3. 出荷
  4. 売上(債権/材料)

以上の4処理がまとめて実行されますので、得意先からの返品が発生した場合には以下の2つを実行する必要があり、売上返品のみ行った場合、本来在庫残がないはずの直送用仮想倉庫に在庫が残ることになります。

  1. 売上返品
  2. 仕入返品

自社倉庫から支給

有償支給も無償支給も処理の流れは同じですが、外注先に発行するP/O価格には有償支給の場合は材料費+加工費、無償支給の場合は加工費のみ含まれています。

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有償支給を収益認識する場合、外注先からの材料受注に基づいて仕入先への材料の発注登録を行いますが、仕入先からの材料が自社倉庫に入る場合と外注先へ直送される場合があります。

  1. 外注先から材料の受注(有償支給の場合)
  2. 仕入先への材料の発注

材料が自社倉庫に入荷する場合、外注先への賃加工の発注、在庫の引当と外注先への出庫、外注先にて加工完了後の入荷処理を行う流れは有償支給も無償支給も同じです。

  1. 自社が外注先へ外注購買発注書(P/O)を発行
  2. 自社倉庫での材料の引当
  3. 外注先への材料の出庫指図を発行
  4. 外注先への材料の出庫実績を計上
  5. 外注先での支給品使用(投入)実績を計上
  6. 外注先から外注入荷実績を計上

受払という面から見た場合、内作と外作の違いは以下のようになります。

  • 内作の場合:投入実績⇒生産実績
  • 外作の場合:支給実績⇒(投入実績⇒)購入実績

有償支給

インドネシアでも無償支給は管理があいまいになりがちなので、利益を乗せて有償支給することでキチンと管理する傾向にありますが、支給時に売上計上(収益認識)してしまうと

Dr. A/R 100   Cr. Sales 100

となり、加工後の製品を得意先に販売する際に売上が2重計上されてしまいます。

よって支給時には未収金(債権)に計上し、Sales(収益プラス)ではなく調達時にプラスした材料または仕入をマイナス計上し、加工後に買い戻す際に未収金を外注加工費に振替えます。

  1. 材料調達
    Dr. 材料または仕入 100  Cr A/P 100
  2. 材料の外注への引渡し
    Dr. 未収金 120    Cr. 材料または仕入 100
                Cr. 交付材料差益 20
  3. 外注作業完了
    Dr. 外注加工費 170   Cr. A/P  50
                Cr. 未収金 120

無償支給 – 賃加工であるサービスの購入

メッキ加工やプレス加工等の外注はサービスの購入(賃加工)であり、無償なので外注先から受注を受けることなく、サービスに対する外注購買発注書(P/O)を発行します。

  1. 材料調達
    Dr. 材料 100   Cr. A/P 100
  2. 材料の外注への引渡し
    仕訳なし
  3. 外注作業完了
    Dr. 外注加工費 20   Cr. A/P  20

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