インドネシアのスタバの店員との会話から学ぶ人生の教訓

2015/11/24

インドネシアのスターバックス

インドネシアのスターバックスの店員との会話の中で、理論の勉強をするのは頭が痛いが、実践してみると意外と簡単という理屈を教わりました。

いつも気さくなスタバの店員

いつものスタバでいつものアイスコーヒーを注文していると、だいたいなじみの店員が「今日は珍しい時間に来たねー」とか「今日もいつものアイスでいいのかなー」とか馴れ馴れしくフレンドリーに話しかけてきます。

ところが昨日はちょっとひねりを加えてきました。

  • 今日は低血圧の具合はどうですか?

僕の経験では、インドネシア人が低血圧の人間に対して言うアドバイスは「サテカンビン(ヤギの焼き鳥)を一杯食べろ」という無責任極まりないものか、または「Sangobion(低血圧の有名な薬)を飲め」とかありきたりのものかの二択です。

ただコイツ、見た目はチャラそうなんですが、何故かまともなこと言いました。

  • セロリとかブロッコリーとか鉄分豊富な野菜をたくさん食べて、きっちり運動して睡眠を十分にとりなYO

いやまあ確かにオマエに言われるまでもなくそのとおりなんだろうけど、なんか悔しいので思わず抵抗しました。

  • Teorinya Mudah, Tapi Prakteknya susah(理屈では簡単だが実際やるのは難しいよ)

ところがこのチャラい店員は、想定外のこんな言葉を返してきました。

  • Belajar teori di sekolah pesing, tapi Prakteknya gampang.(学校で理論を勉強するのは頭が痛いけどやってみると簡単なもんだYO)

なるほど、その発想はなかったYO。

要は「実行するまでいろいろ理屈をつけるから難しく感じるのであって、やってみると以外と簡単」と言うことを言いたかったのだと思いますが、いいこと教えられました。

納得したので、今度はきちんとお礼を言ってあげました。

  • ありがとう、君のおかげで一個賢くなったよ

ところがこの一言でコイツ気分を良くしたのか調子に乗って余計なことまで言い出します。

  • エッチするのもそうだろ、口でよさを説明しても分からないけどやってみると超簡単だYO

いやまあ確かにおっしゃるとおりなんだろうけど、お前それ鉄板ネタっぽいけど女性客にやったらセクハラで問題になるんじゃね。

そういえばコイツ先月サッカーフランス代表でレアルマドリードのベンゼマ選手の髪型マネして、それまでの長めの髪を短髪にしたんですが、同じような下(しも)のノリで髪型をディスってやろうかと思いました。

  • そういえばベンゼマは同僚のエッチ動画脅迫で逮捕されちゃったねー

まあここで角を立てても何の得もしないし、傷つけたら恨まれそうなので止めときましたけど。

スタバで働く日本語学科出身の女の子

Grand IndonesiaのEast mall 3階のスタバで7時の3in1(スディルマン通りなどの主要道路は特定の時間帯に1台の車に3人以上乗っていなければならないという交通規制)開けを待つのですが、いつものようにアイスコーヒー注文したら、初めて見る店員の娘に日本語で返されました。

  • ショウショウオマチクダサイ

どうやら日本語学科出身らしい。ここは場所柄日本人が多いから学校で専攻した日本語が生かせる店舗に配属されてよかったね。

スタバのスタッフは各店舗をローテーションされますので、タムリンのBIIの地下のショップにいた娘が突然居なくなり寂しいなあ、と思っていた矢先にスティアブディ店ですぐに再会したり、昨日までRest area19kmにいた娘が今日から59kmの店舗に配属されて再会したりします。

  • ハーイ、今日から私この店舗に配属になったのョー

こんなこと言われても、全く違和感ないので何のことか一瞬分からないということもありました。

KM19スタバで名前呼ばれたと思ったら以前KM39に居たD子さん、リップサービスでも名前覚えられると嬉しいものです。日本に帰ったのかと思ってたわと言う声と表情があざとかったので、コーヒーだけのつもりがスコーンのセットRp.55,000にしてしまいました。Rest AreaではRp.2,000分プレミア価格です。

僕は毎朝オフィスに出社しているのかスタバに出社しているのか分からないような生活をしていますので、オフィスから最短距離のスタバにたどたどしい日本語を操る店員が配属されたということで、また一つ楽しみが増えました。

ジャカルタで飲めるマニュアルブリューイングによるコーヒー

現在ジャカルタのカフェではマニュアルブリューイングでシングルオリジンのコーヒーを飲ませるのが流行りつつありますが、これまで先進国への一次産品の輸出で経済を支えてきたインドネシアが、経済成長に伴う中間層の拡大により、世界に誇れる国内産のコーヒー産地で栽培した高品質のコーヒーを、ようやく自分で味わう余裕が出てきたということであり、喜ばしい限りです。

エアロプレス一式

インドネシアでは食品から電気製品まで、品質は常にImpor(輸入品)がLokal(国内品)を凌駕しており、ローカルという言葉の響きに自虐的ニュアンスすら感じられることが多いわけですが、コーヒーに関してはインドネシア人が「今日は贅沢してローカル産を飲もうか」と言えるようになる日が来ればいいと思います。

僕がインドネシアに来たばかりの頃、Blok Mパサラヤ(Pasaraya)5階のトラジャカフェ(Toraja Kafe)では、インドネシア語を勉強しながら、サイフォン式コーヒーを飲んでいる日本人と高い確率で遭遇しましたが、日本でも飲んだことがなかったサイフォンを使ってこんなに気軽にコーヒーが飲めるなんて贅沢な国だ、と感激したのを今でも覚えています。

僕にとって初マニュアルブリューイングはこの化学室で実験している気分を味わえるサイフォン式だったのですが、現在ジャカルタのカフェで淹れるマニュアルブリューイングのほとんどがペーパードリップ式であり、ベトナムコーヒーを注文すれば滴り落ちる黒い滴に心を洗われるベトナムドリップ式になり、上からレバーをギュッと押すと床下からムニュッと黒いコーヒーが湧き出てくる瞬間が快感なフレンチプレス式で出すカフェも稀にあります。

エアロプレス式コーヒーメーカー器具購入

さて、アパート近所のスタバGrand Indonesia西館店の陳列棚にエアロプレス器具が置いてあるのは前々から知っていましたが、自分のコーヒーの好みが濃厚なビター系から酸味(Acidity)のあるフルーティ系に確実に変遷しつつある今、エアロプレス式(AeroPress)がどうしても必要という結論に達し、後で嫁さんに何と説明するかも考えず衝動買いしてしまいました。

エアロプレス器具自体は60万ルピアなんですが、スタバメンバーカードで買うと250gのwhole Bean(焙煎してまだミルまたはグラインダーしてない豆)パックがもれなくついてくるということで、メンバーカードにTop-up(金額補給)してから購入することで、前から飲みたかったColombiaのMedium Roast 250gパックを無料ゲットしました。

今回はエアロプレス器具の寸評するために、自分的には「コーヒーの印象を直球ど真ん中で伝える」キリッとした味わいが売りのPapua Wamenaの中煎り豆を、いつもどおりの中挽きで付属のスクープ(プラスティックの深めの大さじ)1.5杯分用意しました。

エアロプレス器具の使い方を簡単に説明するとこんな感じ。

  1. チャンバー Chamber(室:この場合注射器のボディ)からプランジャーPlunger(注射器のピストン部分)を押し出して、キャップ(網目状の底蓋)にペーパーフィルタを置いてして、チャンバーの底にセットし直す。
  2. チャンバーをマグカップの上に立てて載せ、挽き立てのPapua Wamenaの粉を入れて、底が平らになるよう揺する。
  3. チャンバーにお湯を注ぎ10秒ほどかき混ぜるが、お湯がマグカップの量を超えないよう注意。
  4. プランジャーを差込み、ゆっくりとプレスしていく。

つまりコーヒーの味わいに変化をつける要素としては、お湯の温度と注ぎ方、注いだ後にどれだけ寝かせるか、プレスの速度の3箇所になり、豆の種類や挽き方等まで考慮すると、順列組み合わせの公式からしても大変なバリエーションが発生することになり「最高の一杯」を追求するためには非常に奥の深い世界が広がっていることが判ります。

エアロプレス一式

で、肝心の味のほうですが、はっきりしているのはいつも淹れている機械式のコーヒーメーカーに比べて「すっきり」した味わいで、昨日飲んだ西スマトラのSolok産やエチオピアなどアフリカ系のようなフルーティー系の味わいを最大限に引き出すのに適している、というかそのためにエアロプレス器具を買ったようなものなので、目論見どおりと言えると思います。

エアロプレス式はハンドドリップ式の中でも手軽に飲めて後片付けも簡単、と評されることが多いですが、低血圧で朝一は頭が回っていない自分に、限られた時間の中でチャンバーに適量のお湯を注ぎ、飲んだ後プランジャーを引き抜いてコーヒー粉をフィルタごと捨てて洗う、といった作業をこなせるかどうかは微妙かも。

エアロプレスの器具の中で最も痛みやすいのはプランジャーの先についているゴム製のシール部分なので、使った後はプランジャーをシールが圧縮されない位置までチャンバーに完全に押し込んだ状態で保管すると長持ちすると説明書に書いてあります。